- 19 - 5 教育課程編成の基本的な考え方 幼稚園では,遊びの中に小学校につながる萌芽をとらえられるように,「遊びの視点」を据え,子どもたちの中から溢れ出してくる資質・能力の素地を見出すことを試みる。 小学校低学年では,教科の枠にとらわれずにその子の中にある資質・能力が発揮できるように,教科の細分化をせずに四つの領域を設け,幼稚園との緩やかな接続を試みる。 そうして中学校では,課題探究力・自己表現力・社会参画力が先鋭化し,それを深化・統合・活用する場としての総合的な学習の時間の充実を試みる。 6 新設教科・領域等の教育課程上の位置づけ (1)中学校における総合的な学習の時間の充実への対応 中学校で『学びの総合化』の完成形として【教科等の総合化】,即ち,実生活における教科の学習の総合的な活用を実現するための教科横断的な学習の充実には,現行の授業時数に加え,さらに10時間〜35時間が必要となると見込まれる。この授業時数については,各教科に潜在する教科横断的な内容の学習を教科間で相互に調整し,必要に応じ総合的な学習の時間の授業時間数として,第1学年で20時間,第2・3学年で35時間を追加する。 (2)小学校低学年新設「学びの領域」と既存教科・領域との関連 ①ことば領域と既存教科・領域との関連 ことば領域で育みたい3つの資質・能力 課題探究力 自己表現力 社会参画力 〇本や資料を用いて調べたことや友との会話から考えたことについて,相手や目的に応じて筋道立てて話したり,書いたりすることができる。 〇考えたことや気付いたこと,感じたことを事柄の順序を考えながら話しことばや書きことばを用いて相手に伝えることができる。 〇日常生活で起こる問題や課題についてことばを用いたコミュニケーションにより,よりよく問題を解決することができる。 「」身の回りにおけることばの意味・役割に関する見方・考え方を働かせて,事象に対する主観的な価値づけに関する言語活動を通して,言葉による課題探究力・自己表現力・社会参画力を育成する。 <ことば領域の特徴> 国語と連携した言語能力の向上を図る活動と,英語によるコミュニケーション能力の基礎作りを図る活動とを段階的に教育課程に位置づける。 幼稚園における遊びの中に見られる“ことば”を,「伝達媒体としてのことば」「遊び道具としてのことば」「言語文化としてのことば」として捉え直す。特に日本語・外国語に共通なコミュニケーション言語においては,状況的側面と公共的側面を見いだし,その場に適したコミュニケーション能力を育成する。母語と外国語による絵本の読み聞かせを取り入れることで,本の中で表現される想像世界から子どものもつ言語感覚の幅を広げ,実生活において創造的な言語能力の広がり,深まりを育んでいく。さらに様々な言語文化とふれあうことで,高学年で分化される国語科と英語科とのスムーズな接続を図る。 <既存教科・領域との関連> ことば領域は主に,低学年「国語」「外国語活動」と対応する。 1~3学年国語科は,現行の学習内容を該当学年で扱う。 1~3学年英語活動は,4学年から始まる英語科につながる外国語文化に関する絵本や外国語で書かれた絵本の読み聞かせや,簡単な外国言語を使った遊び・活動を扱う。
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