- 9 - ‣ 幼小中合同職員会にて,幼小中職員が,四歳児が遊ぶ姿のビデオを視聴し,三観点に繋がる姿をとらえた後,小グループで意見交換をした。その中で,それぞれの職員がとらえた学びの萌芽について語り合った。 (3)小学校低学年における「学びの領域」に関する共通理解の形成とカリキュラム開発WTの設置 ‣ 幼小中研究主任会を毎週開催し,小学校低学年における「学びの領域」とは何か,幼小中一貫の教育課程開発に何故必要であるかについて協議し共通理解の形成を図った。その結果,次の共通理解が形成された。 • 小学校低学年における「学びの領域」は,低学年では教科間の互恵性を可能な限り断ち切ることなく緩やかに融合するものであることが望ましい。そこで,小学校低学年で,幼稚園で育まれてきた学びの芽を緩やかに統合し,資質・能力を心身両面からバランスよく伸長できるようにするために,「学びの領域」を設定する。 • 小学校低学年における「学びの領域」により,幼稚園で育まれてきた学びの芽を緩やかに統合し,資質・能力を心身両面からバランスよく伸長することにより,教科という学びのスタイルに関する幼小ギャップが低減されるとともに,既存の教科を横断する学習が実現可能になる。 ‣ 幼小中一貫教育推進委員会のもとに,「学びの領域」のカリキュラムWTを平成28年10月に設置し,学部と附属幼小の教員の協働により各領域のカリキュラム開発が推進される体制を整えた。 (4)小学校高学年における教科「英語」及び「技術」の新設に関する共通理解の形成, 学校段階・学部間における教員の連携体制の構築 ‣ 幼小中研究主任会を毎週,小中合同教科会を年4回開催し,小学校高学年における「英語」及び「技術」とは何か,小中一貫の教育課程開発として何故必要であるかについて協議し共通理解の形成を図った。その結果,次の共通理解が形成された。 • コミュニケーションを基本とした英語教育・英語活動の充実は我が国の喫緊の課題であり,その解決には幼稚園・小学校低学年における英語活動に基づく,小学校高学年から中学校までのコミュニケーションを基本とする英語教育の教育課程開発が必要である。 • 我が国の方向性として幼稚園から大学院までプログラミング学習の充実が示されているとともに,IoT社会で必要なプログラミング的思考を育成するために,小学校高学年から中学校までプログラミング学習を軸とした教育課程開発が必要である。 ‣ 教科「英語」の新設について,平成28年度は第1・2学年で年間17時間,第3・4学年で年間35時間の英語活動(幼稚園年長は各クラス年間17時間),第5・6学年で年間35時間の英語の授業を行った。ALTと出会った低学年児童や園児が,英語や外国文化に興味・関心を抱き意欲的にコミュニケーションを図ろうとする姿が見られた。また,高学年の英語の授業では ALTと中学校教員による授業や中学生との合同授業を試行しているところである。その結果,幼稚園と小学校低学年における英語活動及び高学年における「英語」でコミュニケーションを基本とする授業を充実するためには,次年度以降ALTの加配が必要であることが明らかとなった。 ‣ 教科「技術」の新設について,中学校の技術科教員と小学校で技術科の免許を有する教員が連携する体制を構築するとともに,教育学部の教員(技術教育専門)とレゴ社の支援を得て,自動ドアなどのシミュレーションなどプログラミング学習を試行した。平成28年9月から12月に,小学校第4・5学年でプログラムよる計測・制御の単元を展開した。中学校技術科の前倒しではなく,発達段階を考慮し,パソコン画面上のみの2次元の出力ではなく,実際に装置を組み立て,プログラムによって制御できる3次元の教材で実践した。その結果,発達段階に即して,実社会とつながっていく要素のあるプログラミング学習を軸とした教育課程開発が必要であることが明らかになった。また,ICT端末の設定やネットワーク環境の管理,ICT活用に伴う種々のトラブルに迅速対応,新しいアプリケーションソフトに関する教材研究等の業務に専従できるICT支援員の加配が必要であることが明らかとなった。 (5)中学校における総合的な学習の充実に関する共通理解の形成と導入の試行 ‣ 「総合を語る会」を毎月1回開催し,中学校における総合的な学習,【教科の総合化】について,今後どのような改善が必要とされているかについて協議し共通理解の形成を図った。その結果,次の共通理解が
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