- 4 - 資質・能力を高めるとともに,グローバルな視点から実生活に学びを活用できる人材を育成することが可能になると期待できる。 ②期待される具体的な成果 幼小中一貫教育を実現する包括的な教育課程及び指導・評価の提案と普及 従来の研究開発校では,幼小中を貫く新単元の設置などにより幼小中連携教育の実例が提案されてきた。これに対し,本研究では,幼小中一貫教育により『学びの総合化』を実現するために,幼小接続のための「遊びの視点」/小学校における【学びの教科化】のための「学びの領域」/小中接続のための新教科「英語」「技術」を設置するものであり,教科の再編・統合による包括的な教育課程を提案するものである。 そのため,就学前教育と義務教育の接続/小中一貫教育による義務教育の充実を推進する上で,本研究による包括的な教育課程及び指導・評価は,高い資質・能力を有するグローバルな人材を育成するものとして価値ある実例として今後の取組に活かされることが期待できる。 ミッションの再定義に基づく附属学校園の機能強化の実現 信州大学では,ミッションの再定義に基づく教育研究の高度化・機能強化として,特に教員養成の機能強化について,附属学校の中に教育研究拠点を設け,学部・大学院の教育に附属学校園の授業や環境をこれまで以上に活用する/教職大学院において附属学校教員を対象とした教職大学院高度専門職養成プログラムを構築すると宣言している。 幼小中一貫教育の教育課程/指導・評価が実現されることにより,附属幼稚園・小学校・中学校が,学校拠点方式による教職大学院の教育研究拠点として機能し,先端的な授業・評価の実践が展開されるようになるとともに,その成果として教員の授業観・教育観の変革がもたらされる。こうして,附属幼稚園・小学校・中学校が教職大学院高度専門職養成プログラムに実効性のあるフィールドとなることが期待される。 4 研究計画 (1)年次研究計画 第1年次 【PLAN】特別の教育課程の編成・実施に向けた準備 • 『学びの総合化』及び「遊びの視点」/「学びの領域」/教科「英語」「技術」の新設について,文部科学省や教育研究開発企画評価会議協力者の指導助言を踏まえ,その位置づけ,目標,内容,評価方法等について詳細に検討し,幼小中の全教職員で共有する。 ‣ 「遊びの視点」の意味・役割 ‣ 小学校低学年における「学びの領域」(「ことば」,「科学」,「暮らし」,「表現」) ‣ 小学校高学年における新教科(「英語」,「技術」) 第2年次 【DO】特別の教育課程の実施 • 『学びの総合化』のうち,幼稚園における【遊びの学び化】と小学校低学年における「学びの領域」の設置に焦点化して教育課程を編成・試行・評価/改善する。 • 小学校における【学びの教科化】として新教科「英語」「技術」の教育課程について検討するとともに一部を試行する。 • 幼小中一貫教育課程として,総合的な学習を通してどのような力を育むか,その最終学校段階の中学校における総合的な学習の特色は何であるべきかという視点から検討する。 第3年次 【DO】特別の教育課程の実施 • 幼稚園における【遊びの学び化】と小学校低学年における「学びの領域」について,改善された教育課程を実施する。 • 小学校における【学びの教科化】として新教科「英語」「技術」の教育課程を全面実施するとともに,評価・改善する/中学校における教科等の横断的な学習の充実に焦点化して教育課程を編成・試行・評価/改善する。 第4年次 【CHECK & ACTION】特別の教育課程による成果の評価 • 【学びの総合化】の教育課程を全面実施する。 • 【学びの総合化】の成果について,特に「遊びの視点」/「学びの領域」/教科「英語」
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