教育学部研究紹介2020
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30家庭科教育コース助教鄭ちょん 暁ひょちょん静【研究分野】家庭経営、家族・家庭生活教育【研究テーマ】家庭科における家族/家庭生活教育/ 家庭科の国際比較研究/ジェンダー 家庭経営は家族の意思によって家庭の方針や生活の方向を決め、目的の実現に向けて最適の方法を探り、実行することです。その方針に沿って、人やモノ、時間、お金、情報等、家族の資源を有効に使う計画的な活動を考えます。 また、家庭科における家庭経営分野として、家族・家庭生活教育のあり方について追究します。 これまでの研究:性別役割分業意識や家族・家庭生活意識に関する研究、家庭科のカリキュラムや教科書の国際比較研究など准教授福ふく田だ 典のり子こ【研究分野】教科教育学、家庭科教育学【研究テーマ】小中高家庭科衣生活領域の教材開発および指導法に関する研究主著書:「小学校家庭科の指導」(共著),「新版 生活主体を育む」(共著)主論文:家庭科衣領域への接続を目指した生活科栽培学習に関する一考察    製作工程の画像を活用した作品発表会の試み    素材に応じた洗い方の理解を深めるための教材開発    染色と造形活動を中心とした被服・保育融合教材の開発と実践    繊維製品の流通に関する資料教材の開発とその実践    小学校家庭科における風呂の残り湯の洗濯への利用を考える授業教科書の家族の様子をジェンダーの視点で分析している様子▲あじの三枚おろし▲卒業論文発表会▲学びセンター報告(学部附属共同研究)新学習指導要領では,生徒の情報活用能力の育成が明示され,教師はこれまで以上にを活用した指導力が求められる.学生は,本学の「家庭科教材論」の授業において,を活用した教材づくりや指導方法を考案し,「教育実習」で授業実践を行った.また,学生による活用の事前事後の自己評価から,を取り入れた授業実践に対する意識の変化を調査した.本研究の枠組みを図1に示した.1学習指導の準備のための授業者による活用2授業での授業者による活用(3)生徒による活用「学習指導の準備のための授業者による活用」家族・家庭生活,食生活,衣生活事前に作成した教材を活用し,生徒は学習内容の理解を深めることができた.「授業での授業者による活用」消費生活・環境生徒の成果物を機器で拡大表示し,生徒同士の学びを促すことができた.「生徒による活用」住生活立体的な住空間を理解するため,生徒自身が機器を操作できるよう指導することで,興味関心を持って学習することができた.1.目的2.方法3.結果4.考察図1本研究の枠組み図5生徒がモニターを見ながら発表している様子●の活用場面様々な観点から食品を選ぶグループ活動を行い,その成果物を授業者がタブレットで撮影してモニターに映し,クラス全体で共有した図5.➡生徒同士の考えを視覚的にわかりやすく共有することによって,意見交換が円滑になり,クラス全体で議論を深めることができた.【消費生活・環境】題材名:「目ざせ!食品マスター」【住生活】題材名:「つくり出そう!安全・安心,快適生活」を取り入れた授業実践に対する意識の変化<<n=【事前事後の自己評価項目】「活用に関する意識」について問「教材研究・指導の準備・評価などにを活用する能力」について問「授業中にを活用して指導する能力」について問「生徒の活用を指導する能力」について問授業での活用に自信が持てるようになったり,効果的な活用方法を考えるようになったことが分かった.そこで本研究では,本学部家庭科の学生を対象に,家庭科におけるを活用した教材づくりや授業展開の指導に取り組み,学生の活用指導力の向上を図ることを目的とした.を取り入れた授業実践に対する意識の変化では,このようなを活用した授業実践を通して,学生は授業での活用に自信が持てるようになったり,の効果的な活用方法を考えるようになったことが分かった.➡本研究の取り組みにおける学生のを取り入れた授業実践が,を活用した指導力の向上に有効であることが明らかになった.図6タブレット操作で室内の危険箇所を真剣に探求する様子●の活用場面ソフトを活用して居間と寝室の次元教材を作成し,グループ単位でタブレットを用い地震時の危険箇所を探求し,クラス全体で意見共有を行った図6.➡生徒が自由な視点から室内を観察し危険箇所を探求することにより,生徒の興味・関心を引出し,活発な意見交換につながった.附属松本中学校年組名 【食生活】題材名:「魚の調理をしよう」図3三枚おろしの示範をモニターに映している様子●の活用場面三枚おろしの手順を説明する際に,授業者が示範する様子を書画カメラで撮影し,モニターに映す図3とともに,実習時に事前に撮影した動画を流した.➡手順を拡大表示して示すことで生徒の理解が深まるとともに,実習時に手順が確認でき,技術の習得につながった.附属松本中学校2年組名 【家族・家庭生活】題材名:「幼児の発達」図2幼児の画像を提示し説明している様子●の活用場面授業者は0,1,2,4歳の4枚のカラー画像をモニターに拡大提示し,各発達段階の特徴の説明を行った図2.➡生徒は幼児の発達に興味関心を持ち,その後の発達順番クイズに主体的に関わることができた.生徒は発達段階ごとの幼児の特徴について理解を深めることができた.附属長野中学校3年組名 附属長野中学校1年組名 家庭科における基礎的・基本的な知識・技能及び指導内容の学習教材作成指導方法の考案等模擬授業の実施「教育実習」での授業実践・家族・家庭生活・食生活・衣生活・住生活・消費生活・環境【を活用した家庭科の授業作り】活用指導力の向上「家庭科教材論」学部教員における支援附属教員による支援相互連携相互検討振り返り事前自己評価事後自己評価計問の質問に「全く思わない」や「ほとんどできない」の点から「とてもそう思う」や「わりにできる」の点までの段階評定尺度によって平均値を算出し,事前と事後で検定を行った.0.000.501.001.502.002.503.003.504.00A4授業でICT機器を使うことに不安がある(逆転) A5授業でICT機器を使うことに抵抗がある(逆転) B1教育効果をあげるには、どの場面にどのようにしてコンピュータやインターネットなどをりようすればよいかを計画する C2生徒一人一人に課題意識をもたせるために、コンピュータや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示する 事前 事後 ** ** ** * 図7活用に関する意識について事前事後の検定結果有意差があった質問項目【衣生活】題材名:「生活を豊かにするものをつくろう!」 図4失敗作を見てクラス全体で考えている様子●の活用場面失敗作をモニターで見ることにより,生徒自らが問題点に気づき,それをクラス全体で共有して,丈夫な袋作りに役立てた図4.➡授業者の手元をクラス全体に拡大提示し,作業に反映させた.個々の進捗状況に合わせて生徒は,手元のタブレット作業手順と縫い方の動画を収録で確認して各自で作業を進めた.附属松本中学校1年組名 授業で機器を使うことに不安がある逆転授業で機器を使うことに抵抗がある逆転教育効果をあげるには,どの場面でどのようにしてコンピュータやインターネットなどを利用すればよいかを計画する生徒一人一人に課題意識をもたせるために,コンピュータや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示する中学校家庭科における教材を用いた授業実践小林里美附属長野中学校坂本京子附属松本中学校鄭暁静信州大学高崎禎子信州大学三野たまき信州大学山岸明浩信州大学福田典子信州大学平成29年度学びプロジェクト成果報告 実践研究支援成果支援型

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