教育学部研究紹介2020
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19教授天てん谷や 健けん一いち【研究分野】物性物理学、科学教育【研究テーマ】強相関電子系化合物の磁性と超伝導   私の研究分野は「低温」「磁性」「超伝導」で、主に酸化物や金属化合物を研究対象にしています。「低温」にする、つまり物質を冷却していくことのおもしろさは、物質から熱エネルギーを剥ぎ取っていくことによって、室温では見られなかった(あるいは全く予想していなかった)不可思議な現象をあらわにさせることにあります。物質の電気抵抗がある温度以下で突然ゼロになる現象である 「超伝導」もそのひとつです。「磁性」とは、磁場や温度が変化するときに、物質固有の「磁気モーメント」と呼ばれる物理量がどのように変わるかを調べる物理です。鉄のように磁石に吸引される物質は「強磁性体」と呼ばれ、よく知られていますが、この他にも、「反強磁性体」、「フェリ磁性体」、「常磁性体」、「反磁性体」などが知られています。理科教育コース 夜空の星々を見ながら、銀河に思いをはせる。 岩場から採取した化石を通して太古の地球の生き物に触れる。 そして、自ら慎重に工夫した実験装置で運動、超伝導、化学変化などの不思議を体感する。理科には未知の世界へとつながる小さな冒険がいくつもあります。自然豊かな信州において、基礎的な幅広い知識、論理的思考、指導法を学び、発想力、実験の技術を磨きます。「理科の伝道師」を目指して、共に学んでいきませんか。理科教育コース教授伊い藤とう 冬ふゆ樹き【研究分野】光化学、有機物理化学【研究テーマ】有機分子集合化過程の分子ダイナミクス/発光性有機固体材料の研究 有機分子からの蛍光色の変化を使って、結晶生成過程での分子の集まり方の研究をしています.また、集まると光る分子、こすって発光する色の変わる分子、有機EL素子、太陽光集光器などに応用可能なよく光る有機分子の合成なども行っています。紹介記事:「結晶形成・成長の謎に蛍光で迫る」 『化学』(化学同人)Vol.71 No.9(2016年9月号)70-71ページ「蛍光分子を用いる有機結晶核形成段階の可視化とメカニズムの解明」日本化学会HP(http://www.chemistry.or.jp/division-topic/201/06/post-65.html)教授井い田だ 秀ひで行ゆき【研究分野】森林生態学、里山保全活用、自然教育【研究テーマ】ブナ林の維持・更新に関する生態学的研究/里山資源の利用をめぐる生態学的伝統知の体系化/自然・森林環境教育の実践的研究   ブナの虜になった卒業研究以来、ブナの森の生態調査がライフワークとなっています。長野県北部の雪国の古民家に暮らし、里山で伸び放題の木や草を今の時代にあったかたちで持続的に活用できないか模索中です。研究室の学生さんには、学校の周りの植物について子ども達に熱く語れる先生になってもらえたら嬉しいなと思っています。

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