人文学部_学部案内2021
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642018年卒業蛯名 新 -青森県庁2012年卒業2014年修士課程修了丸山沙織-飯田風越高校国語科教諭Graduates Career Choices and Messages私は大学・大学院ともに日本語学を専攻していました。修了した現在は, 国語の教諭として高校に勤めています。私が主として扱っていたのは, 現代語の文法でした。普段何気なく使用している言語であるからこそ, 客観的に見て説明のつかないことや, 自明とされていても実は根拠が明確でないこと等が, 多数あります。まずはこれに疑問を持つことが必要となります。そこから検証を積み重ねていくことで, 疑問はより鮮明な輪郭を持った研究のテーマとして自分の進む方向となっていきました。研究以外の場面であっても, 疑問を持ち, そしてそれを言葉にして答えに向かっていく姿勢は, これから生きていくにあたって必要なものであると言えます。私は現在, 教師としても, この「疑問を持つこと」を大切にしています。自分の疑問だけではなく, 生徒からも疑問を引き出し, そしてその疑問の答えをともに考えたり, 時にはヒントを与えたりしながら, 自明のことを自明とせず, 自身で抱いた疑問を自身で解決へと導けるよう出来る限り努めています。高校生の内にしか考えつかないことや疑問は多いはずです。それを大事に, 学び, そしてより深めていってほしいと思います。私の大学生活は主に二つの刺激を受けていた。一つは, 生活環境の変化である。私は青森県出身で, 大学時代を松本市で過ごした。全国から集まった学生達との触れあいは視野を広くさせ, 気付きも与えてくれた。二つは, 二年次以降コースに所属してからも様々な分野の学生, 先生方と交流を持ったことだ。私は歴史学コース日本近現代史分野に所属していたが, 卒業論文で扱うテーマを決めるきっかけとなったのは社会学のフィールドワークに参加したことである。 接する情報や問題, ものの見方や考え方などは偏ってしまいがちである。講義はもちろん, 廊下での立ち話, 時には食事をともにしながらの語らいによって自分にないものを知り, また補うことができた。卒業論文を書くにあたり, ある先生に伺った「卒業論文とは人生の墓標である」という言葉が強く印象に残っている。卒業論文のテーマは, 卒業後の人生を費やして考え続けるものだと思う。大学卒業後, 学びたいときに学ぶことができる環境がいかに貴重だったかを実感している。自分の大学生活, 特に勉学については多くの後悔がある。もちろん, 自らの選択に悔いを持たずに居られる人は少ない。これから入学する皆さんは, 後悔が少しでも少なくなるよう, 限られた時間で一生懸命に学んでほしい。

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