農学部研究紹介2020-2021
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24国際地域開発学研究室浜野充講師近畿大学農学部卒、JICA青年海外協力隊、英UEA農村開発学修士課程修了、JICAジュニア専門員/技術協力専門家/草の根事業(カンボジア)、名古屋大学生命農学研究科博士課程修了、研究員を経て2015年より現職。JICA草の根技術協力(ネパール中等教育の農業教育強化:2020年-)長野県とネパールの中山間地域の農村を研究フィールドとして、その地域で営まれてきた農業や生活、資源利用、農家の組織活動、農業教育の現状と課題について実践的に学びます。日本では過疎・高齢化が進み、ネパールでも都市部への若者の流出が止まらず、農業の担い手不足も深刻です。農業を基盤として培われてきた農村社会の持続性の観点から、課題とその要因を明らかにし解決策を探ります。農家や営農組織の活動、次世代を育てる教育現場に入り、体験しながら観察し話を聞き情報を集めます。グローカルに地域を比較しながら、自然資源・社会資源を基盤とした農業や生活、社会・経済活動の持続性について探求します。グローバル化の時代、アジアの地域と地域が直接つながり、互いに学び合い比較体験を経て、自分が育った地域や農村の農業・産業・経済・生活スタイルの特性や課題に気づくことができます。そのためには、日本の地域社会での人と人の関りの中で地域を主体的に体験し学ぶこと、海外の農村社会の営みに触れ、生活しながら学ぶことの両方が必要です。海外の大学に交換留学することも推奨しています。食品/菓子製造会社、調理機械製造会社、観光サービス、農業法人、JA、国際協力、地方公務員、修士課程進学など様々に活躍しています。グローバルな視点を持ちローカルな課題解決思考・協働力を育てると、日本・世界のどのような職種でも、強みや課題に気づき実践できます。農学を学ぶことで、食と農、仕事と生活、発展と幸福を考え続ける基盤を作ります。日本と開発途上国の中山間地域で、農業・農村生活の持続性について考えるABCDBC集落営農の強みや課題、過疎高齢化地域の農業の持続性を、農地可視化・参与観察・聞き取り調査によって検証します。研究から広がる未来卒業後の未来像植物資源科学コース伝統的な農業、資源利用の方法、集落組織について学び、JICAプロジェクトでは地域農業や教育現場の強み・課題・改善策について現地の教員・生徒と一緒に考えます。ネパール山岳地域:標高2600m長野県中山間地域植物遺伝育種学研究室トウガラシやソバなどの新品種開発を目的として、それらの持つ有用形質の遺伝解析、胚培養による種間雑種作出、さらには優良系統選抜のための分子マーカーの開発などを実施しています。また、長野県内、国内はもとより、ミャンマー、カンボジア、ネパール、ブータンなどにおいて、遺伝資源や有用植物資源の探索、収集を行っている他、民族植物学的な現地調査も実施しています。これら収集系統は育種素材としての評価、DNAレベルでの類縁関係の解明などの研究に用いられています。高齢化、獣害の増加などの様々な問題を抱える中山間地域において,トウガラシやソバ在来品種の活用、新品種の導入などを進めることにより、同様の地域におけるこれら問題を解決し、農業および食品産業の活性化を進めます。また、様々な有用植物資源の探索、収集、保全とその分類等を行うことは地域資源の利活用につながり、それらの地域内での利用・保全を進めることができれば、生物多様性の保全に貢献できるとともに、これら植物に関する伝統的知識の伝承や保全が促進されます。当研究室では植物の遺伝学育種学分野の研究、学習が中心になりますが、それら研究を実施するためには、作物の栽培、病害虫防除、分子生物学的実験手法さらには加工流通から文化的背景に至るまでの様々な分野の知識と技術が必要となります。さらに、国内外の農村地域での現地調査に参加する機会も多いため、幅広い視野を持った人材として成長することが期待できます。このような経験を積むことにより、卒業後は、公務員(研究職を含む)や、種苗会社、食品会社、農業関連企業などで活躍できる人材になります。松島憲一准教授信州大学大学院農学研究科修了後、農林水産省国際部係長、同省九州農業試験場総合研究チーム研究員、同省農村振興局専門官等を経て、2002年より信州大学農学部。博士(農学)。信州伝統野菜認定委員。トウガラシ等の新品種開発および在来品種の復活等で、地域の農業と食品産業を活性化左;有用形質を持ったソバ新品種の開発右;海外でのトウガラシ等の遺伝資源探索収集(カンボジア)左;様々な形質を持つ日本のトウガラシ在来品種右;胚培養技術等を用いたトウガラシ種間雑種の作出研究から広がる未来卒業後の未来像植物資源科学コース

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