農学部研究紹介2020-2021
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21小林みずき助教明治大学大学院農学研究科修了後、明治大学農学部助教を経て、2019年4月より現職。博士(農学)。専門分野は農業経済学、農村社会学。調査先では見て、聴いて、時には触れたり、嗅いだり、食したり…フィールドワークを通じ、現場の実態を自分の五感で確かめる。農村振興に欠かせない農産物直売所や農産加工、農家民宿等も農業経営の一部。多くの女性たちが活躍している。農業経営学の対象は主に農業を行う経営体です。超高齢化社会を迎えた我が国の農山村では農業の課題は山積みです。しかしその一方で、多様な農業者や経営体が出現し、今までにない魅力的な農業を展開しています。本研究室では地域振興を目標としながら、農業経営体の育成を考えます。農業経営体のみならず、それらを取り巻く地域社会や食品・流通産業、消費者等、あらゆるものを研究の対象に取り込み、農業と農村の振興策を検討していきます。本研究室での主な研究方法はフィールドワークによる社会調査です。現場に身を置くことで、問題の所在と解決方法を考えます。調査先ではコミュニケーション能力も必須。現場での活動を通じ、実践力を養い、適応能力を高めることで、社会で活躍できる人材を目指します。農業・農村の実態から、地域振興を目指したこれからの農業経営を考える農業経営学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像植物資源科学コース今日の農政では農業経営体の規模拡大を支援・推進する傾向が強まっています。しかし、中山間地域をはじめ、農業経営の規模拡大が困難な地域も多く存在します。例えば長野県の農家数は全国1位(2019年時点)。多数の小規模な農家によって、農業という一つの産業が支えられています。こうした現実を前に、多くの農山村では自治体や集落を単位とした地域全体で農業の問題を解決してきました。その一つが「集落営農」という形態です。農業経営学研究室では、こうした農村の現状を踏まえつつ、農業経済学や農村社会学の考え方を援用しながら、時代に見合った農業経営のかたちを模索し、農業経営体の育成について考えます。現場での調査、多くの方々との議論を通じ、農業・農村をはじめ社会の問題をより深く掘り下げ、実証的な分析を行います。現地の方々の勉強会等にも参加し、問題や情報を共有する。土壌生物学研究室植物微生物間相互作用から環境保全型農業を探求する齋藤勝晴准教授博士研究員を経て2006年7月より信州大学農学部。植物微生物相互作用の植物栄養学的側面に関心があり、環境保全型農業への応用を目指している。土壌生物学の研究を通して、資料調査・課題抽出・計画立案・課題遂行・報告の一連を習得し、課題に取組む能力を向上させることが出来ます。卒業後は農業生産・指導、食品会社等で活躍出来る人材になります。化学肥料や農薬を使う量を減らし環境への負荷を低減することは現在の農業において重要な課題の一つです。私たちは植物と微生物との共生に注目し、生物の持つ能力を最大限に引き出すことで環境に配慮した生物生産に貢献することを目指しています。研究対象は、植物のリン酸吸収促進に関わる菌根共生(多くの植物種と菌類の共生)や生物窒素固定に関わる根粒共生(マメ科植物と細菌の共生)です。植物はバクテリアやカビなどと共生している菌根根粒最新の手法を駆使して植物微生物共生を研究しているもともと別々に生活していた生物同士が、どのようにして共生を始めたのか?植物は微生物からどうやって養分をもらっているのか?私たちはそれらに答えるために、遺伝子や細胞、フィールドレベルで解析を進めています。このような基礎的な研究から、環境に配慮した生物生産を行うための共生の利用について考えています。研究から広がる未来卒業後の未来像植物資源科学コース

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