農学部研究紹介2020-2021
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13鏡味裕教授帯広畜産大学、名古屋大学農学研究科で動物育種学を専攻し、ゲルフ大学で研究員として研究した。信州大学において幹細胞分化制御による有用動物生産に関する教育研究を推進している。幹細胞は家禽育種の改良に多大な期待が寄せられる組ゲノム編集によるアレルゲン低減化の試みScientific Reports (Nature publishing)での公表幹細胞による新たな有用動物創出幹細胞工学を応用した、家畜育種、新規有用動物創出、臓器再生、環境保全、等に関する教育研究を行っています。当分野で、世界を先導する独創的研究成果を挙げています。幹細胞を動物生産に活用する動物発生遺伝学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像動物資源生命科学コース最近の学生の主要進路等*博士課程:自治医大助教、基礎生物学研究所研究員、国立遺伝学研究所研究員*修士課程:福島県職員、名古屋市職員、交野市職員、各種企業研究員・職員*学部:大学院進学、胚培養師、各種企業職員、等河原岳志准教授九州大学で博士号を取得後、2002年4月より信州大学農学部に赴任。動物の細胞培養や細胞工学技術を学び、本専攻所属後はこれを活かした食品の機能性評価研究を手掛ける。アレルギーの症状を引き起こすマスト細胞(肥満細胞)やアレルギーモデル動物を用いた試験により抗アレルギー作用が期待できる食品素材が多く発見された。皮膚角化細胞を起点とした炎症誘導作用を抑える食品由来成分の新規機能性を見出し機能性化粧品素材として応用した。これまで得られた研究成果は、国際的な学術誌での発表という形で世界に向けて情報発信しています。また近年では研究成果を活かした製品開発にも協力しており、一般の方々にも商品という形で成果に触れていただく機会ができました。医療費の増大が問題となるなか、食品の機能性に対する期待が高まっていると感じています。今後もこのような活動を通じて地域と世界を結ぶ架け橋として貢献していけたらと考えています。食品の機能性探索や開発を目的として活動する研究室のため、卒業生のほとんどは食品に関わりのある業界の仕事に就いています。培養細胞の様々な応答を手掛かりに食品の新規機能性を探索・応用する河原研究室では、生体の不都合な応答によって生じるアレルギーや様々な炎症性疾患の症状を緩和できるような機能性食品素材の探索を行っています。山地に囲まれた信州の地には、未だ機能性が明らかにされていない食品素材が多く眠っています。免疫細胞や腸管上皮細胞、皮膚角化細胞など、病態の鍵となる種々の細胞の生物学的応答を手掛かりに未知の機能性を見出し、一人でも多くの人の健康に役立てられるよう研究に取り組んでいます。近年では有用な機能性をもつ食品由来成分を、化粧品向けの素材として応用していく研究も手掛けています。機能性畜産物製造学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像Th2細胞好酸球などケモカイン産生抑制QSEB細胞肥満細胞IgE動物資源生命科学コース

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