繊維学部_学部案内2019
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医療界の常識の範囲を鮮やかに超えてゆく 手術ロボットの開発。体内組織の再生を促す新しい治療法の提案に挑む。「シルク」の特性に着目し生態組織とマッチする特性を活かし、「衣料」から「医療」へ。シルクは古くからドレスや着物などの製造に用いられ、日本の産業を担ってきた材料です。また、外科手術で傷を縫う時の糸として現在の臨床でも使用されています。シルク及びカイコを調べていくなかで、シルク特有の柔らかさ・しなやかさは、機能的に生体組織に適合しており、相性がいいことが分かってきました。現在は、シルクを用いた再生医療など、医療分野へのさらなる展開を目標に研究を進めています。幼虫を守る繭としての機能を応用し、体内で細胞を育む再生医療に展開する。老化と共に軟骨がすり減り、歩行などに痛みを伴う「変形性関節症」を患う高齢者が多くいます。一般的な療法として行われているのが、関節を摘出し、人工関節を取り付ける手術ですが、硬度のあるものを体内に入れるため、不都合を生じる事例も少なくありません。そこで、シルクタンパク質100%でできたスポンジ材料を細胞形成の足場として一時的に体内に入れ、軟骨を再生させる治療法の実用化をめざしています。天然材料の「安定性追究」の難しさに直面。シルクを利用した再生手術は、言わば“体内に貼る絆創膏”。組織の修復・再生をより容易なものにして、手術の負担を軽減することができます。また、人工関節とは異なり、自身の関節を再生するため、取り替えの必要がなく、成長過程の子どもにも適用できるかもしれません。衣料素材を越えて利用の可能性が高いシルクには、まだ多くの未知の機能があると期待しています。その機能を明らかにするのが今後の課題です。る」へ。の製造に用いられ、日本のの製造に用いられ、日本いられ、日本のの科手術で傷を縫う時の糸科手術で傷を縫で傷を縫う時う時の糸の糸ます。シルク及びカイコをます。シルク及びカイコをカイコをかさ・しなやかさは機能かさ・しなやかさは機能能8

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