繊維学部_学部案内2019
7/32

医療界の常識の範囲を鮮やかに超えてゆく 手術ロボットの開発。革新的なものづくりで生物の機能を超える。ヒトの健康をまもる。機械・ロボット学科では「繊維」を発展させた多数の研究が行われています。細胞をインクジェットプリンターのように微小液滴として射出して瞬間凍結する技術。氷上のチェスと呼ばれるカーリングの戦略を立案しそれを実現するロボット技術。コンピュータシミュレーションにより患者別テーラーメイド手術を支援する技術。火災現場という極限環境において消防士の生命を守る耐火服の高性能化を実現する技術。ものづくりを超える機械・ロボット学が私達の未来をつくります。私達が幸せになるための機械・ロボット学。紡績機や織機で培った繊維機械技術から、最先端の機械・ロボット学へ。繭玉や綿花から糸を紡ぐ機械。糸から布にするために織ったり編んだりする機械。かつての繊維学部では繊維機械について研究開発を進めていました。これが現在の繊維学部に機械・ロボット学科がある理由です。そして今、機械・ロボット学科が扱う繊維は、素材がカーボン(炭素)だったり、太さが数百ナノメートルだったりといった最先端素材です。植物の構造を模倣した繊維強化プラスチックや、細い繊維だからこそ実現できる高機能材料を最先端のメカトロニクスで実現しています。あらゆるモーターの代替品となる可能性を秘めた身近な素材。繊維を使ってものを動かす技術の研究も進めています。安全性や清潔性などの制約がある医療現場で使用するアクチュエーター(エネルギーを運動に変換する駆動装置)としていま注目しているのが、熱で伸縮する「ナイロン繊維」。軽い、低コスト、応答性が高いなどの特性を兼ね備え、人間の筋肉と同等またはそれ以上のパフォーマンスを可能にするポテンシャルを秘めています。ナイロン製のアクチュエーターが実用化すれば、従来の装置の概念を覆す、コンパクトな機器が世の中に溢れるでしょう。6

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る