NOW116_web
9/20

08はないけどタコはいる」なんて(笑)、結構それおもしろい見出しかもしれませんね。伊藤 「海なし県」の「タコ足大学」の「ファーストペンギン」ですか。面白いですね(笑)。 今、小西さんにご協力いただいているのは「地域貢献」の分野ですが、ものづくりが盛んな産学官連携による共同研究の多さなども、信州という環境が生んだ国立大学だからこその側面だと思います。伊藤 目指す方向が見えてきたところで、広報活動全般について、それぞれご意見を伺えたらと思います。 今、広報室ではランキング対策などもありますが、まずはコンテンツの訴求力、ということに重点を置いています。インフォグラフィクスやインパクトある写真、広報誌の表紙では印象豊かな「信大人」を極力載せるようにしています。藤島 人的訴求は必要です。大学の先生方の中には、研究には没頭できるけどインタビューを受けるのは苦手という方もいらっしゃいますが、先生一人ひとりが信州大学の広報マンという意識を持っていただくのが理想ですね。川崎 マスメディアの人間として感じることは、これから先は明らかに「動画」だということですね。極論、全てのものは動画で見られる時代になっていくと考えます。私は先ほど話に出た「ファーストペンギン」の方々の動画を早く見たいなあと思います。小平奈緒さんがお話しされている動画なんかは、ものすごくパワーがあると思います。今までは動画を作るには、時間と労力が必要でしたが、今はiPhoneひとつあれば手軽に作れます。 例えば、信州大学はどんなものでも45秒の動画で広報していくなんて方針があったら、マスコミから見たらものすごく魅力的ですね。そういう新しいPR方法を実践するのも、まさに「ファーストペンギン」なんじゃないかなと思います。ちなみに45秒は、人が動画を見る際に集中力を保っていられる時間の指標。例えばWebで人気のクッキング系の動画も1分以内、45秒程度が多いです。伊藤 信大動画チャンネルは9年前の2010年に設置しましたが、コンテンツ制作はやはり時間をかけていました。川崎 そんなに難しく考えなくてもいい。編集は必要ですが、45秒しか使わないと思えば撮影の手間はそれほどかからないと思います。これから大学に入る世代は明らかに動画世代の人間なので、そこを強化していくことは大事だと思いますね。小西 今、クリエーター支援のため、補助金を出していている団体もありますしね。川崎 学生でも動画を撮れる人はいっぱいいると思いますし、今後の戦略として考えてほしいですね。小西 それと、有名なクリエイティブディレクターの方と話していて印象に残っているのが、「きちんと線を引け」という言葉です。「こんな狭い土地に家なんか建たないだろう」って思うようなところにびっくりするような建物を作る、つまり対象と成果のギャップで感動させるのがクリエーターなのだと。結局企業や大学も同じで、広報サイドから広報戦略をしっかりと打ち出し“線を引く”ことで、理解ある協力者がたくさん現れてくるのではないかと思います。伊藤 広報戦略として、まずフォーカスするべき対象エリアを定め、学内外に意思表示することが大事ということですね。「北極星」を目指す覚悟みたいなものでしょうか。「ファーストペンギン」は今年の信州大学放送公開講座のタイトルとして藤島さんと考えたものですが、確かにそのままブランディングのコンセプトになりますね。動画の重要性も再認識できました。本日は信州大学広報に親身なアドバイス、誠にありがとうございました。大学のングをるコンテンツの訴求力を高めアウトプットに工夫する新しくメンバーに加わっていただく小西氏に、学長より委嘱状(通知書)が手渡され、みんなで記念撮影。国公立大学特集に掲載した誌面など、この数年で作った信州大学の特色コンテンツをいくつか確認。藤島氏が提示したのは「北極星プロジェクト」。誰もが理解できて、常に方向が変わらない「あそこを目指そう!」というもの。信州大学の北極星とは何か…広報活動の目標にもなる深いテーマだ。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る