NOW116_web
8/20

07 例えば、学長対談にも登場した卒業生、「ポケモンGO」開発リーダー野村達雄さん、スピードスケートの小平奈緒さんなど、信州大学の卒業生には敬意を表する「ファーストペンギン(群れの中で最初に海に飛び込む勇気あるペンギン)」(※2)がたくさんいます。信州大学の「北極星」は何かと問われたら「日本で一番独創力を育める大学」が結論になるんじゃないかと思うのです。言い換えると「海がない信大がファーストペンギンを輩出している大学」。これも面白い見出しになり、学生にも研究者にも卒業生にとっても、魅力的に響くのではないかと思います。 「地方創生」とか「多様性」とか他にふさわしい言葉もありますけど、私は一番能動的な言葉を選んだ方がいいと思っています。能動的な言葉の方が人の背中を押しますから。とくに大学をどこにしようか迷っている高校生には、大きな影響を与えると思う。そしてその「ファーストペンギン」を見守るのがアルプスの山々。どうでしょうか。伊藤 ありがとうございます。「独創力」は、実は2015年に企業の採用担当者が選ぶ大学ランキングで信州大学が1位(※3)になったことがありました。それだけユニークな人材がいるということなんでしょうね。以来「独創力」は、学内でも共通認識として存在しています。藤島 最近はデータマーケティングが注目を集めていますが、データを読み解くには左脳が大事かと思いきや、実は右脳が重要なんです。そんなクリエイティブな発想力をこの環境が育んでいる気がします。川崎 右脳といえば、企業でロジカルシンキングとかクリティカルシンキングが大事だと言われてきたのですが、最近ではデザインシンキングやアートシンキングといった手法が注目されています。製品やサービス、ひいては経営に影響すると言われています。イノベーションを生み出すためには、マーケティングをクリエイティブに変える発想力が必要、という考え方ですね。 山も近くから見たら急峻ですけど、遠くから見たらすごく綺麗ですよね。信大生は、ものを複層的に見ることが得意なんじゃないかなと思います。独創力と右脳の働きは非常に近いところにあると思ったので、今の藤島さんのお話はとても腑に落ちました。谷 個人的には信大生のイメージとしてサバイバル能力のようなものを感じます(笑)。山岳部のイメージが強いというか、企業的にいうと「逆境に強い」とかを感じます。文武両道だとか質実剛健だとか、そういった精神が信州大学には根付いている気がします。伊藤 確かにそうした逞しさは信大生のDNAとしてあるように思いますね。 この前素敵だな、と感じたお話ですが、創立70周年を機に「学士山岳会」という山岳部卒業生の方々から、部室がボロボロだからと1,000万円のご寄附をいただき、新築の部室が1棟建ちます。「お金は出すけど口は出さない」のだそうです。山岳部関係者はそのくらい絆が強い。学生とその諸先輩方をつなぐ絆は信大生の特徴かもしれません。小西 あと、信州大学はタコ足大学で、各キャンパスに行くだけでも結構文化的交流になる。文化的な学内留学ができる場所なのではないかと感じています。さっきの「ファーストペンギン」の話のように、「海外部広報アドバイザー信州大学広報スタッフ会議座談会“きちんと線を引き”対象と成果のギャップで感動させる。(小西)信州ブランディ考えtheme谷氏が紹介した、サントリーのDNAとも呼ばれる有名な企業スローガン「やってみなはれ」。社員の行動指針であることから、今も採用のホームページの「顔」になっている。一言で信州大学を象徴できる言葉はなんだろう…キャッチフレーズも重要との課題提示だ。広報室では周年事業を控えて、各種大学史アーカイブスを信州大学大学史資料センターにも協力いただき制作中。前身校の時代の沿革、歴史マンガなどを紹介。(※2)信州大学2019年度放送公開講座タイトル「信州のファーストペンギン」より。信州大学の先駆的な研究者を取り上げる番組を制作中。(※3)企業の人事担当者から見た大学のイメージ調査2015(日経リサーチ)

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る