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10信州大学独自となる全学横断特別教育プログラムのひとつ、「ローカル・イノベーター養成コース(通称:LID)」が開講され早2年。2年次後期の授業の課題は「リアル・プロジェクトマネジメント」。地域課題解決のため、イベント企画・運営の実践を通じて、事業の全体把握やタスク管理、チームによる連携を学ぶカリキュラムとなっており、学生たちだけでテーマの設定、講師の選定・交渉、ワークショップの運営まで、これまで積んだトレーニングをいよいよ実践する段階となりました。この日は松本市内にある信毎メディアガーデンを会場に、一般参加者も交え、学生とイノベーターをつなぐローカル・イノベーションフォーラム「INNOVATOR HOUSE」を開催しました。(文・柳澤 愛由)SEース」で NEXT PAGE第1部は「イノベーター・プレゼンテーション」。2018年、Jリーグ1部リーグに昇格した松本山雅FCの運営会社である(株)松本山雅の代表取締役神田文之氏と、山間の岡山県西粟倉村で村内産の木材を使った家具製造を行っている(株)ようびの代表取締役大島正幸氏を講師に招いた基調講演を実施しました。神田氏は、自身の経験と松本山雅FCが思い描く未来について紹介しながら、「好きなことをやり続けることがイノベーターに必要なパワー」だと、参加者にエールを送りました。大島氏は、「イノベーションを起こす偉大な失敗」と題し、事業を通じた成功と失敗を独自の視点で解説。自身の体験を例に出しながら、「失敗をマイナスに捉えるのではなく成長への一歩だと捉えることが大切」だと、そのポリシーを参加者に伝えました。講演の内容を踏まえつつ、第1部後半で行われたのは「イノベーション・ワークショップ」。参加者は「自分が好きになったもの」を紹介しながら、なぜファンになったのかをふり返り、それをふまえて、「ファンを創るにはどうしたらいいのか」をテーマに各々意見を出し合いました。第2部は、「フューチャー・ローカル・イノベーター・プレゼン(FLIP)」と題し、3名の学生たちによるプレゼン大会が行われました。それぞれの学生が、現在取り組んでいる、またはこれから取り組みたい「地域」をテーマにしたプロジェクトを紹介。「県内企業と学生をつなぐトークイベントを開催したい」、「物件をリノベーションし、人と人がつながる場所を作りたい」など、学生たちの熱のこもったプレゼンテーションが行われました。この授業を通して行われた地域に根ざしたイノベーターとの交流は、地域課題を学ぶLID生たちにとって大きな財産。3年次には、いよいよ実際に地域企業に飛び込んで課題解決の手法について学ぶ「課題解決インターンシップ」が用意されています。LID生たちは今回の反省を活かしながら、新たな学びのステージに移ります。山積する地域課題を学生の視点で捉え、考え、得た経験は、必ず将来の糧となることでしょう。次ページでは、実行委員長の小山雄聖さん(人文学部2年)と広報担当の山口穂波さん(人文学部2年)、お2人のインタビューをお届けします。筋金入りのイノベーター、講師2名を迎えての基調講演して学ぶアル。(株)ようびの代表取締役大島正幸氏

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