理学部研究紹介2019
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26理学科生物学コース研究から広がる未来卒業後の未来像研究から広がる未来卒業後の未来像生物学コース理学科試行錯誤を繰り返しながら、研究の立案から調査、実験、そして論理的にデータをまとめる力や知識が身に付きます。卒業後は国家・地方公務員、中学・高校教員、会社員などさまざまです。高木限界北海道大学大学院地球環境科学研究科博士後期課程修了後、信州大学理学部助手、准教授を経て、2016年より現職。主な研究分野は森林群集を中心とした植物生態学。高橋 耕一 教授植物生態学研究室植生に対する気候変動の影響に関する研究は地空間的にもスケールが大きく、いろいろな研究の仕方があると思います。私は実際の更新過程を明らかにしたうえで、予測研究に発展させたいと考えています。私のこれまでの研究に興味をもった国内外の研究者たちとも共同研究しています。中部山岳をおもなフィールドにして調査研究していますが、中部山岳から世界に向けて、植物群集に対する環境変動の影響に関する研究結果を発信できればと思っています。当研究室では、森林群集を中心とした植物生態学の研究を行っています。主な研究テーマは、森林の更新動態、炭素循環、群集構造の形成機構、外来植物、気候変動に対する植物群集の応答などです。標高傾度にそった気象条件の変化に応じて、植生も変化します。そこで標高傾度という自然の実験系を利用して、環境条件に対する植物群集や植物個体の応答に関する研究などをしています。研究テーマに応じて、群集生態学、年輪年代学、生理生態学、分子遺伝学など、さまざまな分野の研究をしています。環境変動に対する      植物群集の応答を調べる研究室の一コマ。各自が責任を持って個別の研究テーマを追求している。研究室内のディスカッションから新しい研究テーマが生まれることも。サンプリングを行う日本の高山地帯。実験室内外で研究を行うことにより多角的な視点を獲得できる。京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻博士課程修了。2015年より信州大学。研究分野は植物―微生物共生系、および植物二次代謝産物。髙梨 功次郎 准教授分子共生生物学研究室研究を通して培われる論理的思考力や問題発見・解決力、観察力は、あらゆる分野の職業において必要不可欠です。当研究室での経験を活かして、様々な分野で活躍してほしいと思います。過去に起きた、植物の生育域の変化に伴う共生生物の行動を調べることで、未来の気候変化に対する共生系の行動を予測することができます。また、自身が生産する毒に対する自己解毒機構は、医薬品生産の植物工場に応用できるかもしれません。当研究室では主に基礎的な研究を行っていますが、その先にある私たちの生活を常に考えながら研究を進めています。植物の持つ様々な不思議について研究しています。薬草や毒草はなぜ自身が生産する生理活性物質にやられないのか、また、数十万年、数百万年の時間スケールで植物が生育域を変えるとき、その植物と共生している生物はどのように行動するのか、などを山岳地帯などをフィールドにして調べています。植物は動物と異なり発芽した場所から動けません。そのため動物にはない様々な機構を発展させてきました。それらの機構を研究し、植物のもつ不思議のベールを一枚ずつ解明していきたいと考えています。植物の不思議:微生物共生と代謝産物と野外での蒸散測定亜高山帯針葉樹林土壌からの二酸化炭素の放出量の測定種子の発芽実験高山植物

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