信大医学部医学科研究紹介2019(日本語)
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22臨床に根差した精神医学研究の発信信州大学医学部精神医学教室では、開設以来臨床重視の姿勢を貫いており、患者さんと丁寧に向き合うことを心がけています。多くの諸先輩と名誉ある伝統に支えられ、臨床、教育、研究、そして未来の精神医学、医療に向かって邁進しています。研究は、症例を基に臨床に根ざした臨床研究が主体です。伝統ある精神病理学に加え、精神薬理学、精神生理学、神経病理学、放射線精神医学、分子生物学的精神医学などの手法を用いて、こころの病気を様々な視点から解明しようとしています。・カタトニア症候群の精神病理・体感異常症の症候学・気分障害患者の社会復帰・摂食障害患者の発達特性と性格傾向 ・エストロジェン受容体とうつ病との関連・光トポグラフィ(NIRS脳計測)装置を用いた脳機能画像多角的な視点で臨床に根差した研究を行っているため、精神障害の病態解明や新しい診断法および治療法の開発など、精神科臨床現場に直接反映される研究成果が期待できます。信州大学を含めた県内の精神科医療機関の相互の連携は非常に良好・緊密であり、長野県内のさまざまな総合病院、精神科単科病院での就職が可能です。また、各種研究機関への留学、就職の実績もあります。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像精神医学(教授 鷲塚伸介)毎週火曜日に行う研究会における研究プログレス報告    研究成果の学会発表    (マドリードにて)光トポグラフィー(NIRS)研究多職種連携による質の高い医療の提供長野県の小児精神医療の中核的医療機関として、行政や地域の精神科・小児科をはじめとする医療機関、学校・教育センターなどの教育機関、児童相談所・情緒障害児短期治療施設などの福祉機関と連携し、子どもたちを様々な側面から治療・支援しています。臨床研究、疫学研究、基礎的研究など、多岐にわたる分野の研究をおこなっています。・アンガーマネージメントプログラム開発・ 母子保健情報を活用した子どもの精神健康問題の早期発見と早期支援-長野県岡谷市における悉皆的コホート研究-・注意欠如・多動症と関連するバイオマーカー研究・自閉スペクトラム症の睡眠に関する研究・神経性やせ症の認知機能改善療法に関する研究・ 発達障害児者等の地域特性に応じた支援ニーズとサービス利用の実態の把握と支援内容に関する研究(厚生労働科学研究費補助金研究事業)発達障害をはじめとする子どもの精神健康問題の早期発見と早期支援の体制づくりを目指した研究をすすめています。研究成果が教育行政施策に反映され、支援体制が整備されることが期待されます。診療部での臨床・研究・後身の指導、県内協力病院勤務、精神保健福祉・児童福祉関係の行政機関や施設勤務などの選択肢があります。研究機関への留学、就職も可能です。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像子どものこころの発達医学(教授 本田秀夫)グループミーティングソーシャルスキルトレーニング研究成果の学会発表(ウィーンにて)

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