信大医学部医学科研究紹介2019(日本語)
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21健康寿命延伸への明るい未来を切り拓く病気に「かかってから治す」から「かからないようにする」方向へと時代は変わっています。今や全世界で拡がり続けている「糖尿病・生活習慣病」は、あらゆる病気の根源(引き金)になり得ます。重い病気にかからずに健康寿命が延伸できる世の中の実現へ貢献できるように、私たちは日々、基礎・臨床研究に励んでいます。また内分泌(ホルモン)疾患も生活習慣病・糖尿病と密に関わっており、これらの研究も精力的に行っています。・血糖値を低下させるホルモン(インスリン)の分泌機構の解明・甲状腺ホルモンと糖尿病・高脂血症の関係性の探求・人工膵臓を使用した、血糖値の動向の調査・光で血糖値を計測する機器の開発(セイコーエプソンとの共同研究)糖尿病・生活習慣病の病態を解明することは、対症療法的な治療ではなく、もっと根源的な治療へとつながる可能性を十分に内包しており、病のない健康で明るい人類の未来を切り拓く第一歩になります。基礎・臨床研究を行うことで、医療で最も重要な資質の一つである客観性を身につけることができ、さらに糖尿病・内分泌代謝は今後ますますこの時代に必要とされる分野になるため、活躍の場が大いに広がります。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像内科学第四(糖尿病・内分泌代謝内科)(教授 駒津 光久)医局員の集合写真    実験室での研究風景    (大学院生ら)人工膵臓ハート、治してみませんか?循環器内科では心臓と血管の病気の制圧に取り組んでいます。心不全で息切れやむくみがある患者さんをお薬で治療します。また、カテーテルという管を用いて狭くなった血管を広げたり、脈の異常を治す治療も行っています。心臓は生命の源ですから患者さんの治療には苦労も多いです。それでも治療効果は劇的で、患者さんの命を救う喜びを大きく感じることができるのが当科の特徴です。研究内容は心不全・不整脈・虚血性心(下肢)疾患・再生医療を軸としています。超高齢社会を迎えてさらに増えつづける心臓血管病のより良い治療を探ると同時に、人類の夢である心臓の再生を目指して活動しております。・長野県の高齢者心不全の登録観察研究・ペースメーカー植え込み患者における遠隔モニタリング・長野県の冠動脈治療患者の登録観察研究・新しい糖尿病治療薬が心不全患者に与える影響に関する研究・心不全の発症進展の分子機序の解明と新規治療標的の探索超高齢社会で心臓血管病の患者さんが増加していますが、実は高齢者診療はまだ未解明な問題点が多く試行錯誤の状態です。上記の研究は当講座の研究の一部ですが、どれも解明に至っていない現行の医療の問題点に焦点を当てたもので未来の循環器診療の指針になるデータが発信できると期待しています。国立大学でありながら地域医療の中隔を担うのが信州大学循環器内科の特徴です。最先端の研究と最高峰の医療を同時に学べるいわば「文武両道」の医師が目指せます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像内科学第五(循環器内科)(教授 桑原宏一郎)桑原教授(右)と元木准教授(左)    右冠動脈造影    (心筋梗塞治療後)左心房の3Dマッピング心房細動治療中

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