信大医学部医学科研究紹介2019(日本語)
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16臨床的疑問を解決するウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎などの慢性肝疾患患者さんの診断から治療までを幅広く行っています。各疾患の診断や病期・線維化評価目的に経皮的肝生検を積極的に実施しますが、合併症などの関係で生検が困難な患者さんに対しては血清バイオマーカーや県内唯一の機械であるFibroscanなど非侵襲的な検査を組み合わせて総合的な判断を行っています。また肝癌の治療として、ラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓療法、分子標的薬の導入などを担当しています。・B型肝炎における核酸アナログ製剤の中止基準、インターフェロン +核酸アナログ製剤治療に関する多施設共同研究・自己免疫性肝疾患における疾患感受性遺伝子の同定・非アルコール性脂肪性肝炎の新規バイオマーカーの探求                          など多数・ 日常臨床から生じた疑問を疫学・分子生物学的アプローチにより解決していくことを目標としています。・ 研究内容を国内・国際学会、英文誌で積極的に発信することにより、世界中の患者さんへの貢献ができると考えています。・ 当班は海外留学経験者も多く、世界に通用する肝臓内科医として、臨床・研究生活を送ることができます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像肝臓 班(チーフ:准教授 梅村武司)肝関連の検査・治療を積極的に行っている内科学第二肝臓班のメンバー研究活動にも力を入れている腫瘍性疾患、炎症性疾患、感染症など、研究テーマは多岐にわたる胃腸 班(チーフ:准教授 菅 智明)内科学第二いわゆる胃カメラ、大腸カメラ等を用いた内視鏡検査や、外来・病棟での日常診療を行いながら、科学者の目で研究のテーマを探していきます。ありふれた疾患の中においても、解決されていない問題点・疑問点は必ずあります。目の前の患者さんに対して、より良い医療を提供したいという純粋な気持ちが、より良い研究の基礎となります。疑問に持った事について文献検索を行い、それでも答えが見つからない事があれば、それはあなたが研究すべきテーマになります。多くの教室員や、他教室の指導者から強力な指導を受けながら、問題を解決すべく研究を行い、世界に発信していきます。・Helicobacter pylori感染症(高校生での除菌研究など)・小腸癌の診断における免疫組織学的マーカー・炎症性腸疾患の感受性遺伝子・理想的な内視鏡操作法 等々個人的な疑問から出発した研究の成果が、世界中の日常診療に影響を与える事は珍しくありません。また、自分の研究をとおして深めた知識は、日常診療を行う上での自信につながり、臨床医としての深みも増します。良い研究者が良い臨床医になると我々は考えます。胃腸に専門性を持ちながら、内科全般についてオールラウンドな診療の出来る臨床医を目指します。一般病院での勤務医、開業医、大学の教員など、将来像はそれぞれの希望次第です。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像    内視鏡検査や治療も理論的に考え、理想的な方法を模索する    内視鏡検査中の議論が研究に発展していくこともある  ピロリ菌感染による鳥肌胃炎  胃癌の強い危険因子となる内視鏡治療に関する研究テーマも数多くある

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