総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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3総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像イングランド代表VS日本代表の親善試合@マンチェスター(2004年、英国)。スタンドのサポーターによるイングランド国旗表示ニュー・レトロをコンセプトにした美しい赤レンガ外壁のニューヨーク・メッツの新スタジアムを背景に。伝統とハイテクの融合がファンの誇り。著 書人文・社会科学教育部門筑波大学体育専門学群、同大学院修士課程体育研究科(スポーツ社会学専攻)修了後、同準研究員、信州大学教養部講師、同人文学部助教授を経て2006年全学教育機構(大学院人文科学研究科兼担)に着任。橋本 純一 教授スポーツは「健やかな生」、「豊かなコミュニケーション」、「伸びやかな自己開発」という重要な文化的機能を備えていますので、卒業後も、するスポーツはもとより、みるスポーツ、支えるスポーツ、表すスポーツ等のあらゆる局面で積極的に関わりましょう。私たちを感動させるスポーツ報道や生観戦。これらの持つ機能や意味をクリティカルに検討してゆくことで、望ましいスポーツ報道のあり方や、より良いスポーツ観戦環境の構築に結び付けていくことが可能です。ポピュラー・スポーツの享受が一方的な供給ではなく、参与者が意志的に関わりつつ、豊かな未来を形成してゆく道筋を模索しています。 スポーツを文化として捉えて、その望ましいあり方を検討してゆく講義やゼミを担当しています。研究は、メディアとスポーツとの関係やスポーツ観戦環境(スタジアムやアリーナ)の機能と意味を、文化論的・社会学的に解明することを中心に行っています。スポーツはITイノベーションによって著しくメディア化し、日常に浸透し、きわめて重要な文化と化しています。もはや「たかがスポーツ」とは言わせないパワーを持ち、誰もがその強大な影響力を無視しえないものとなっています。クォリティ・ライフの実現には、スポーツをクリティカルに検討してゆく眼差しが必要です。現代スポーツとは何なのか、その望ましいあり方を文化論的に考える写真左はゼミⅡの農山村調査法の演習(2016年3月、ロング・クパン村)。写真右はゼミⅡの焼畑農耕の収穫体験(2017年3月、ロング・イマン村)。「環境マインド実践ゼミⅡ」では、ボルネオ島奥地の集落で寝泊まりし、環境マインドを五感で体験します(2015年3月、サラワク州のロング・ウィン村にて)。上田高校、東京外国語大学ヒンディー語学科、筑波大学大学院環境科学研究科修士課程、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程。博士(学術)。神戸女学院大学准教授を経て、2008年秋着任。金沢 謙太郎 教授ソニー・マレーシアは「卒業証書をもって熱帯雨林へ」とリクルート広告で呼びかけました。私からいわせれば「卒業までに熱帯雨林へ」です。これまで関わった学生は、研究者や公務員、環境関連企業などで活躍しています。衛星画像や統計資料を使って「鳥の目」で眺望する作業は重要です。しかし、それだけでは現場で苦しみもがいている人びとの顔は見えてきません。地面を這いながらフィールドを見る「虫の目」が必要になります。問題の現場と机上を往復しながら見えてくるものを大事にしたいです。研究にとどまらず、学生のうちは何事も失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてください。環境マインド教育部門全学教育機構で担当している「環境社会学入門」では、環境問題や環境運動、環境文化に関する研究領域から解説します。「熱帯雨林と社会」では、熱帯産資源の採取に伴う問題を考えます。他に「生態資源論ゼミ」や「アジア開発環境論ゼミ」、「環境マインド実践基礎論」、「環境マインド実践ゼミⅠ・Ⅱ」なども開講しています。専門は環境社会学・環境人類学。特に、地域の人びとの資源利用の変化を、その地域をとりまくグローバルな政治経済の関係のなかで追究するポリティカル・エコロジー論。マレーシア・サラワク州の狩猟採集民、プナン人のもとに通い、彼らの森林資源利用について調べています。「鳥の目」と「虫の目」:環境問題への複眼的アプローチ

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