総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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33総合人間科学系基盤研究支援センター研究から広がる未来卒業後の未来像遺伝子クローニング等の分子生物学的技術から、細胞レベルでのカルシウム代謝、個体の心機能・骨格筋収縮力の評価など多岐にわたる技術を学ぶことできます。また、共用機器が多数設置してあり、広い分野に応用可能な多くの測定技術を学ぶことができます。心疾患は日本の年間死因別死亡総数のうち2番目に多く、さらに増加傾向にあります。また、高齢化が進む日本では、加齢による骨格筋の筋力低下(サルコペニア)が大きな社会問題となっています。これらの疾患の新たな予防・治療法を確立するために、心筋や骨格筋の生理・病態生理を明らかにしていくことが必要不可欠です。分子の挙動から生物個体までを解析することで、様々な知見を得られるよう研究を進めていきたいと思います。東京工業大学生命理工学研究科博士課程修了(博士(理学))。信州大学医学部分子薬理学教室助教、講師を経て、2018年より現職。中田 勉 准教授機器分析支援部門①心筋・骨格筋収縮の分子基盤 当研究室では、哺乳類の心筋や骨格筋の収縮メカニズムについて、個体から分子レベルまで多角的に研究を行っています。最近は特に、筋収縮に重要な役割を果たすカルシウムイオン代謝について、疾患の際にどのような変化があるかを調べています。②機器分析支援部門業務 個別の研究室では維持が困難な大型研究機器(電子顕微鏡、レーザー共焦点顕微鏡等)を集中管理し、信州大学内外の研究者向けに共用化しています。また、機器の使用方法や新たな技術導入に向けてのセミナー等を開催しています。筋肉の収縮はどのような分子の働きによって制御されているのか?様々な手法を用いて、筋収縮に関係する分子の相互作用を調べています。骨格筋の筋線維を特異抗体で染め分けた画像細胞内カルシウム濃度を測定する顕微鏡

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