総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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32総合人間科学系総合人間科学系基盤研究支援センター基盤研究支援センター遺伝子実験支援部門研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像ヒトや動物あらゆる環境中に生息する微生物に興味を持ち、微生物学の発展に寄与し、病原微生物について科学的根拠に基づく正しい知識を社会一般に啓蒙できる専門家となることを期待しています。動物実験を含む研究結果には再現性が求められます。実験動物の健康はもちろん、動物実験の精度を確保するために、病原性あるいは生体へ影響を示す微生物を統御する必要があります。研究で得られた成果は、性状や生体への影響に関する微生物学的な新たな知見として発信できるとともに、実験動物飼育における微生物統御の必要性について、科学的証拠をもって示すことができます。酪農学園大学獣医学科卒業酪農学園大学大学院修了獣医師・博士(獣医学)博士研究員、長崎大学先導生命科学研究支援センター助教を経て、2017年12月より現職。山中 仁木 准教授動物実験支援部門研究支援:実験動物の飼養そして動物実験が適切に実施できるよう助言すると共に、動物実験施設の管理運営を通して各研究者の研究発展のため動物実験に関する研究支援を行っています。研究:現在発生するヒトの感染症の内、多くが動物由来(人獣共通)の感染症と考えられています。一方、微生物には腸内の常在細菌のようにヒトや動物宿主と相利共生関係にありながら、宿主の健康状態によって日和見的に病原性を示すものも存在します。これらの点を踏まえて、ピロリ菌以外のヘリコバクター属菌を中心に実験動物における病原性や生体への影響について研究しています。動物から検出される微生物の病原性や生体への影響について考える脳科学とは、ヒトを含む動物の脳が生み出す機能について研究する学問です。脳の研究を通じて専門的知識、技術的だけでなく、論理的思考や問題解決能力身につけてもらいます。研究者、技術者だけでなく幅広い分野で活躍できる人材に育ってもらいたいと思っています。脳の機能を支える複雑かつ精巧な神経回路が形成されるメカニズムを明らかにし、その神経回路網が記憶・学習、感情、意志などの脳機能を生みだす過程を解明することは脳科学の究極の目的の一つです。一方で脳の働らく仕組みのについての基礎的知見は脳機能の破綻によって引き起こされる精神疾患の病態の理解、治療戦略の確立に大きく貢献することが期待されます。東京理科大学工学部工業化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科修了(博士・医学)。東京大学医学系研究科助教、信州大学学術研究院医学系准教授を経て、2017年から現職。植村 健 准教授高等動物の脳にはおよそ1000億個もの神経細胞が存在しています。この神経細胞同士が「シナプス」とよばれる構造で連結し、神経回路網を形成することで脳の情報伝達や記憶・学習をはじめとする高次の脳機能を可能にしています。発達期におけるシナプス形成不全、機能低下は自閉症、知的障害などの神経発達障害の発症と深く関係していると考えられています。脳のシナプス形成の分子メカニズムの解明は、脳神経回路網構築や作動原理の理解のみならず、神経発達障害の病因・病態の理解ならびに疾患の克服に向けた治療戦略の進展に貢献できると考えています。脳が働く仕組みの理解:脳の働きを分子から考えるシナプスの電子顕微鏡像蛍光タンパク質発現ウイルスで可視化した小脳プルキンエ細胞共焦点レーザー顕微鏡とよばれる高解像度のイメージと三次元情報の再構築が可能な顕微鏡を用いて脳組織を観察することができます。動物実験施設の外観ヘリコバクター属菌に感染した免疫不全マウスに見られた脱肛症状実験用マウスから分離されたヘリコバクター属菌

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