総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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26総合人間科学系総合人間科学系教職支援センター教職支援センター研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像令和1年度教員免許状更新講習の一コマ「社会を生き抜く力を育てる~はじめての金融・経済教育~」金融経済分野を中心とした消費者教育の実施法と知識を身に付けた学生が、中学校・高等学校の教師として巣立っていきます。彼らの授業実践により、主体的で賢い消費者が多数育成されることが期待されます。平成26年度から、長野県の先生方の金融経済分野を中心とした消費者教育の授業力向上を図るべく、「はじめての消費者教育」というタイトルで経法学部の先生と共同して「教員免許状更新講習」を年間2~3回実施してきました。また、信州社会科教育研究会に所属し、主に松本市内の小・中学校の先生方と交流しています。自分の研究成果の浸透により、先生方の消費者教育の実践力向上が期待できます。新潟県出身。2006年上越教育大学教育学研究科社会系コース修士課程修了。1993年~2013年新潟県公立中学校社会科教諭を経て、2013年4月に着任。研究分野は、金融経済教育、消費者教育。田村 徳至 准教授田村研究室18歳選挙権が2016年から施行され、さらに、民法の改正により2022年4月1日から18歳で成人することとなりました。現在、高校生というと通常全員が未成年ですが、令和4年度からは、高校3年生のクラスには成人が混ざっていくことになります。今まで未成年者の契約は保護されてきましたが、これからは、高校3年生までに今以上に適切な思考力・判断力を持つ消費者市民社会の形成することができる人材を育成することが重要となります。そこで「持続可能な社会の形成」「消費者市民社会の形成」を目指して活動できる人材育成が可能にする学習プログラム・教材を日々研究しています。消費者市民社会の形成を目指す人材育成公職選挙法改正(2016年)により「18歳選挙権」時代が到来。大学生と協力しながらアンケート調査を実施し、「若者」と「政治」の関係のあり方を考えるための情報発信を行っています。自分の「キャリア」(過去・現在・未来の履歴)を考える上で必要なことは、特定の職業(仕事)を発見することではなく「キャリア・アンカー」(自分が大切にしたい価値観や軸)を模索し、その価値観と対話することです。Time is Lifeの精神で、キャリアをデザインする時間を共有していけたらと考えています。「教育に関するヒト・モノ・カネ・情報」の研究も行っています。「教育界の常識は、社会の非常識」と言われて久しく、教育問題の語り方・語られ方は「一億総教育評論家」的状況にあります。これに対して、一般市民の「イメージ」と教育現場の「リアル」を踏まえながら、学校や教育委員会が直面する課題解決や地域連携のコンサルティング、エビデンスに基づいた制度設計の提案を行っています。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学後、2009年4月信州大学に着任。全学教育機構講師・准教授を経て、2016年4月教職支援センター准教授。現在は、同センターの地域連携部門長も務める。荒井 英治郎 准教授教職支援センター「いつ、どこで、誰が、誰と、何をした」ゲームを知っていますか。教育学(教育行政学・教育法学・教育経営学)を専門とする私は、「教育政策」の5W1Hを明らかにする研究をしています。そこでは、歴史の闇に葬られた「文書記録」のアーカイブや、当事者(文部科学省・教育団体・マスコミ関係者など)に対するヒアリング調査(口述記録)を再構成した「オーラル・ヒストリー」の成果を総動員し、ブラックボックス化した政策決定の真相に迫ります。また、最近では、教育の条件整備や学びのセーフティネットを構築していくために、アクション・リサーチも行っています。過去・現在の「教育政策」のメカニズムを分析し、未来の制度をデザインするオーラル・ヒストリー(「記憶」の記録化)の成果アクション・リサーチ(各種審議会委員)の成果学生のライフプラン・マネープランに関する相談対応「キャリア教育」の授業の一コマ学び続ける教師であるために・・・ 

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