総合人間科学系研究紹介_2019-2020
24/40

19総合人間科学系総合人間科学系高等教育研究センター高等教育研究センター研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像「発信のための易しい英作文ゼミ」授業風景、2大学を結ぶ遠隔授業。英語を「暗記の対象」から「考察の対象」に変革するための授業。2015年9月、長野県大学連携シンポジウム「スキルとしての『学び方』」を主催、「勝手に成長していく人」について論じた。英語を暗記の対象ではなく考察の対象としていれば、英語を見るだけで「地アタマ磨き」になります。だから「アタマがいい人」を本気でねらえます。「勝手に成長していく人」は日常生活が「地アタマ磨き」です。デの研究の成果は、多くの人にとって「暗記科目」である英語を、「数学のように考える科目」に昇格させるような授業をすることに現実に結びついています。勉強のしかたを知っているかどうかは、実際に問われるのは、大学を卒業して働くようになってからです。「勝手に成長していく人」を輩出できれば、卒業生本人にとっても社会にとっても大きなインパクトがあるはずです。南山大学英米学科卒業、名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程修了。大阪外国語大学、信州大学人文学部を経て現職に。研究分野は言語学、英語教育、高等教育。加藤 鉱三 教授研究では、言語の意味を追求しています。現在のところ、日本語を英語に訳す時、助詞デをどういう前置詞を使って訳しているのか、訳すことができるのか、を研究しています。英語教育の現場と機械翻訳に貢献することをめざしています。教育行政では、個々の授業で目標を学生がクリアすることで、学生がその授業でねらった力と達成感を得る、という状況の実現をめざしています。信州大学の学生は、履修した授業と同じだけのいろんな力と成功体験をもって卒業していく「勝手に成長していく人」として社会に出る、そういう教育を本気でねらっています。1英語を暗記科目から考える科目へ2勝手に成長していく人を育てる教育高等教育研究センター教学データ追加調査大学の特色仮説情報技術仮説モデル学生到達モデル参照モデル比較将来予想されるICT活用の一例教学ビッグデータの活用モデル(試案)CIEC(コンピュータ利用教育学会)主催の2017PCカンファレンスでの発表論文(論文集 pp.231-232)学習や教育に限らず、様々な場面で、ICTの活用が進むことが予想されます。学生時代に、ICTを利用し、その効用を実感することで、展開が予測困難な今後の社会へ適切に対応する強力なツールの一つとして活用できるようになっていただきたい。ICT活用により、効率的で効果的な学習を実現することで、学生は、より高い学習目標に到達し、教員は、ICTに任せられることは任せて、より人間的なコミュニケーションが必要な教育・指導に注力できるとともに、研究や地域貢献活動により多くの資源を向けられようになることが期待されます。これらに加え、ビッグデータを活用することで、きめの細かい学習支援が可能になることが期待されます(右図)。早稲田大学理工学部卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)後、ドイツにて2年間研究に従事し、1987年から信州大学教員(医療短大、医学部、全学教育機構)。矢部 正之 教授高等教育研究センター高等教育研究センターでは、高等教育におけるICT(情報通信技術)活用に関する実践研究を中心に行っています。特に信州大学の特徴である、遠隔教育を効果的に行うこと、ICTによる主体的学習の促進、それらを支えるICTシステム(学習支援システム、電子ポートフォリオシステム)の基礎的研究です。元々の専門は、物理学(原子核反応理論)で、信州大学では当初、医学関係の教育に携わったため、保健科学と物理学、人間工学などの研究も行い、現在も興味を持っております。これらに関する教養講義やゼミも担当しております。情報通信技術(ICT)を活用して、効果的な学習を目指す!

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る