総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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14総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像英語教育部門法言語学ゼミを開講しています関西学院大学文学部、文学研究科修士課程を経て、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程。2002年信州大学経済学部、2006年全学教育機構に着任。兼元 美友 准教授「言語」や「法律」は、人間や社会について考える際の基盤となります。新たな切り口から両者を分析する手法を学ぶことが、皆さんが社会に出てから求められる問題解決能力を身につける役に立つことを期待しています。英国や米国では、法言語学が既に裁判のプロセスに活用されています。裁判員制度の導入をきっかけに日本でも研究が進みつつありますが、未だ歴史が浅く、今後の発展が期待される分野です。今後より一層研究が進み、理論的に確立されれば、日本の法言語学が、法医学のように、司法のプロセスで活用される一つのツールとなる可能性があります。言語学の知見を社会貢献に繋げるためにも、法言語学は有効な手法だと考えています。もともとは、理論言語学の一領域、語彙意味論やレキシコン研究を行っていました。現在は、言語学の知見を司法に応用させる法言語学(Forensic Linguistics)の立場から商標の研究をしています。商標に関する紛争の1つに、類否の問題があります。対比される両商標が同一・類似の商品に使用される場合に、出所の混同を生じるおそれがあるか否かが重要となりますが、あまり明確な基準はありません。文字結合商標を、言語学における複合語の観点から分析することで、類似/非類似と判断されやすいパターンを見つけ出し、明確な類否判断の基準を設定することを目指しています。言語学の知見を法律に応用:法言語学(Forensic Linguistics)Forensic Linguisticsの本場での研修考えるゼミ 2017「知る」ことはとても簡単なことですが、その一方で「わかる」ということは容易なことではありません。しかし、苦労せず「知った」だけのことはすぐに消え、一度「わかった」ことは消えません。「知っている」だけのことは潔く捨て、「わかる」ことのみを大切にしていってほしいです。私は、認知神経科学(神経言語学・神経教育学)や言語心理学という複数の領域(脳科学と言語学 / 言語学と心理学など)に跨る研究をしています。一領域で得られた知見を、他の領域で応用できる可能性を模索しています。例えば、言語習得の熟達の鍵を言語熟達者の脳特徴をfMRI等で観察したり言語心理学の実証実験により探り、そこで得られた事を言語教育の実践に応用することで、教育効果をより確かなものにできるのではと考えています。上智大学外国語学部英語学科卒業、上智大学大学院外国語学研究科修士課程修了(言語学修士)。カナダMcGill Universityに留学。帰国後、信州大学特任講師を経て、2009年より信州大学全学教育機構准教授。有路 憲一 准教授英語教育部門「考えるゼミ」という教養ゼミナールを開講しています。この「考えるゼミ」では、ゼミ生自らが“考えることをする”場を実践的につくっています。3歳〜6歳の子どもたちが哲学する場をつくったり(「ちびてつ」)、「学校とはちょっと違う学び」というテーマの下、小学校で学びをデザインしたり(「学校をつくる」)、「良い学びってどんなの?」「学ぶってそもそもなんだろう?」「教えるってなに?」など正解はないが問いの多い“教育”について対話する場(Edcampという世界各地で開催されているエデュケーションプログラム)をつくってきました。良い学びとは?   ー自ら考える場をデザインする言語熟達者・非熟達者の脳画像ちびてつ Philosophy for Children

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