総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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12総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像健康科学教育部門筑波大学体育専門学群を卒業後、同大学院人間総合科学研究科にて博士前期課程修了(体育学)。東京都での特別支援学校勤務を経て、2013年全学教育機構に着任。専門はアダプテッドスポーツ、インクルーシブ野外教育。加藤 彩乃 助教adaptとは適応させるという意味です。既存のルールや概念、慣習に囚われず、想像や創造していくことで新たな視点が拓けます。皆さんの専門性や発想力をアダプテッドの世界で広げてみませんか。スポーツを「好き―嫌い」「上手い―下手」などの軸で捉えている人は多いのではないでしょうか。その軸だけでは、写真のように「重度の障害のある人と障害のない人が一緒にスキーを楽しむ」ということを想像し創造することは難しいでしょう。この写真には、機械工学、最新の繊維、医療、心理、教育、自然・環境、経済といったものが写っています。捉え方を変えることで、あらゆる人が関わる世界へと広がります。障害のある人と障害のない人が一緒にスポーツを楽しむことをテーマに、その人をよく観察し、バーバル/ノンバーバルなコミュニケーションをとる中で、全ての人が等しく楽しむために必要な「モノ」や「コト」を想像し、新たなスポーツやスポーツ環境を生み出すための研究や授業を行っています。その一つとして、障害のある子どもと障害のない子どもがキャンプや登山、スキーなどを一緒に行うことを通して学ぶ、インクルーシブ野外教育をコーディネートできる人材、インクルーシブ野外教育指導員の養成を行っています(2020年よりゼミナールでも養成開始)。ひと・モノ・コトとの関わりを楽しむ。スポーツの持つ新たな役割英語教育部門ベックフォードが造り上げた風景庭園とフォントヒル・アビィ(Reay Tannahill, Regency England (London:The Folio Society,1964)の Illustrations 12 Fonthill Abbey, Wiltshire より)金沢大学法文学部文学科卒業、同大学院文学研究科修了後、信州大学教養部、同繊維学部を経て、現在、信州大学総合人間科学系全学教育機構に所属。山口 和彦 教授教養を“人の心がわかること”と定義することができるとすれば、大学での学びは“人や環境、あるいは自然について、それらの心がわかる人材”を育てることにもつながっているといえるでしょう。 精神の貴族と称することもできるダンディーの生きざまと精神像には、時代や風土を超えて受け継がれるべき人間的・倫理的価値が含まれています。同時に、節度と品位を重んじるダンディズムの様式感覚のうちに、表情や挙措動作といった人間の身体表現だけでなく、言語表現とも不可分に結びついた表現美学を見てとることができます。 18世紀の終わりから19世紀前半にかけて、文学、建築、造園、音楽、絵画・稀覯本や家具調度類の蒐集など、さまざまな芸術分野で才能を発揮した英国の文人ウィリアム・べックフォードの生涯と作品、および近代的存在方式としてのダンディズムの人間像と精神美学を対象に研究を行っています。また、これら主題に関連して、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ作品を教材に用いたり、柴田錬三郎の眠狂四郎シリーズについて論考を発表したりもしています。 ベックフォード、ダンディズム美学C・ドイル『まだらの紐・赤髪連盟』(英光社、2015年)の表紙 柴田錬三郎『眠狂四郎無頼控 (一)』(新潮文庫刊)の表紙限界はどこに? ー車いすで雪あそびー走る、はしる、ハシル。 ー4時間リレーマラソンー

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