総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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11総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像オーストリア・ウィーンの学会会場にて第16回世界剣道選手権大会で日本代表チームへトレーナー帯同学友会剣道部における剣道の実践と指導どの分野においても、健康と体力は重要です。より良い運動の実施方法を身につけてもらいたいです。また、運動やスポーツを通して、色々な分野や文化の人と繋がりを持ち、自身の世界を広げて欲しいと願っています。例えば、剣道の特徴的な傷害であるアキレス腱断裂を受傷した場合、一般的に競技復帰までには半年ほどかかると言われています。また、せっかくの楽しい運動も、動くたびに痛みが出たり、急激な痛みに襲われるかもしれないと不安を抱えながら行っては、その魅力も半減するでしょう。競技スポーツ現場における個人やチームのパフォーマンスの低下、生涯スポーツにおける痛みによる実施率の低下といった問題を防ぎ、運動の魅力を最大限に引き出すためにも、スポーツ傷害を予防することは重要です。筑波大学体育専門学群を卒業後、同大学院総合人間科学研究科にて学位取得(博士・スポーツ医学)。筑波大学体育系特任助教を経て、2012年信州大学に着任。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。廣野 準一 講師健康科学教育部門専門種目である剣道の実践や指導、競技現場でのアスレティックトレーナー活動を通して、スポーツ傷害予防を中心に、現場で起こる課題を解決に導く研究活動を行っています。剣道は、老若男女が一緒に行うことができる、素晴らしい日本の伝統的な運動文化です。しかしながら、剣道に限らず多くの運動種目では、実施方法によっては痛みや怪我を引き起こすことがあります。私は、アキレス腱傷害を主としたスポーツ傷害の予防法の検討、筋や腱の硬さ情報を元にした新たなコンディション評価指標の開発、剣道と体力の関連性の検討といった研究を通して、健康的かつ合理的な運動の実施方法の構築と普及を目指しています。剣道とアスレティックトレーナー:より良い運動の実施方法を目指してヨーロッパスポーツ科学会議での研究成果発表ポスターコオーディネーションエクササイズでは、学生達が考案したエクササイズを実践します。運動は、目に見えて結果がすぐわかる良いツールです。運動やスポーツに興味を持ち、探究し、未知の事柄を解明する一連のプロセスを良い経験にして、これからの人生に役立てて欲しいです。近年、体育・スポーツの分野では、科学データの有効活用が盛んになっています。それは、トップアスリートの強化に限らず、学校教育の現場においても同様です。経験的に理解していた現象に根拠を付け加えることで、教育、指導方法としての有効性を高めることにつながります。また、科学的根拠は、スポーツ工学やスポーツ行政の分野においても重要なコンテンツです。新潟大学教育人間科学部卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科修了、博士(体育科学)。札幌医科大学理学療法学第一講座研究員を経て、2010年から信州大学に着任。速水 達也 准教授健康科学教育部門研究テーマは、ヒトの運動感覚や、運動中の脳と筋肉との関係を解明することです。我々は、目的する運動を完全かつ正確に行うことは困難です。その理由としては、主観的な運動強度の段階付けが正確ではないことや、様々な要因によって筋肉の収縮力が影響を受けることがあげられます。それらを解明するために、筋活動や力学データを用いた測定を行っています。担当授業は、必修科目の健康科学・理論と実践、体育・スポーツ群科目のコオーディネーションエクササイズやスノースポーツ、教養ゼミナールの身体運動科学ゼミなどです。運動の巧みさのメカニズムを探る

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