総合人間科学系研究紹介_2019-2020
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8総合人間科学系総合人間科学系全学教育機構全学教育機構研究から広がる未来研究から広がる未来卒業後の未来像卒業後の未来像細胞にDNAを加えると、様々な変化がおこります1975年2月24-27日 米国カリフォルニア州モントレー半島のこの場所でアシロマ会議が開催されましたこの10年、20年、40年間におこったことを考えれば、10年後、20年後の想定にもとづいて現在の行動を決めることは、多くの人にとって確かな意味はないでしょう。今、見えているものに誠実に向き合う。その積み重ねを大切に。下から積み重ねるにせよ、上から網をかぶせるにせよ、細胞内のできごとを動的に描ききることは、理由を問う必要もない、大きな夢です。アミノ酸の代謝系とDNAの組換え(損傷修復)系の相互作用は、なぜ備わっているのか? いつ、何をしているのか?簡単には説明することができません。しかし、そのようなつながりを丁寧に理解し、積み重ねることで、細胞の解像度が高まり、完成に近づきます。1994年 鳥取大学大学院連合農学研究科修了(博士・農学) / 学術振興会特別研究員(PD)を経て1996年 信州大学理学部助手(生物科学科)/ 2006年 全学教育機構(准教授)/ 現在に至る。伊藤 靖夫 准教授自然科学教育部門どんなことにも、始まりとその後の過程があります。現在、ゲノム編集とよばれるDNAの改変技術の始まりは、プラスミドと制限酵素の発見です。当時、無限の可能性を確信した人も、恐怖を感じ研究をやめた人もいました。その後の過程における第一歩は、重要性を理解した200人に満たない研究者が集まり、社会における位置づけを示したことでした。それがアシロマ会議です。以降40年、技術的には自由自在ともいえる時代になりました。しかし、当然、未解明なことも多々残っています。アミノ酸代謝と組換え装置の相互作用もそのうちの一つです。遺伝子を変える 細胞を描く露頭の観察を重ねて地質を見る目を養います。信州大学理学部卒業、大阪市立大学大学院理学研究科修了、理学博士。1989年から信州大学教養部、理学部を経て全学教育機構教員。国内各地、中国などで地質調査に従事。大塚 勉 教授自然科学教育部門地質を見る目 −野外で地質情報を正しく把握して説明できるスキルを備えた人材を育成します。とくに共通教育では、人間社会と自然環境との関連を理解して、将来社会で活動する際の思考基盤を充実させることを目標にしています。地質構造を明らかにし、その形成過程を知るための手法は多様化していますが、あえて基本となる地表踏査を中心にした手法を追求しています。地質の成り立ちが把握できると、人間社会はどのようにそれを利用して共存してゆくべきかが明らかになってきます。野外において、災害につながる地質の特性、とくに活断層の存在や運動像を明らかにし、地域に貢献できる地質情報を整備して発信します。地質学、とくに地域的な地質構造の把握や形成過程を扱う構造地質学にたずさわっています。従来は日本列島の地質の骨格をなす「付加体」と断層を対象に研究を行ってきました。2004年の中越地震以後は、おもに地震を引き起こす活断層と地質災害の研究を、社会貢献を視野に入れて行っています。長野県の各地で活断層を新たに発見し、地域の地質や生活の場へ与える影響を明らかにしてきています。地震や土砂災害では地質条件が被害の規模や性質を支配します。自然災害の発生時には、現場で発生要因の解明を行っています。野外で学ぶ地質学 −地質と社会との関係を考える兵庫県南部地震を起こした野島断層の観察神城断層地震直後の活断層調査

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