保健学科_研究紹介2019
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―5―看護学専攻基礎看護学領域看護の技術は、artである!(フローレンス・ナイチンゲール) 看護は、古より身近にあるものでした。常に傍らにあって、身近にあり過ぎたために、あまり学問として考えられてきませんでした。その看護を、19世紀に、最初に看護学という学問として体系づけた人が「フローレンス・ナイチンゲール」であると思います。また、それ以来、看護の基本は「ナイチンゲール」にあると考えます。 現在も、世の中には身体的精神的に病める人が多くいます。 基礎看護学と看護教育学を専門とする中で、さらにいっそうナイチンゲールがいう看護を目指して、より看護実践に貢献できるような知識・技術・態度(姿勢)の向上のために、また、それらの教育方法について研究をしています。 ナイチンゲールが著した「看護覚え書」には、看護職者としてのみならず、医療従事者として、人間としての姿勢や心得えがわかりやすく述べられています。いかに時代が変わろうと、人間としての姿勢や心得は変わりません。人間が病んだ時に求めるものも同じです。しかし、科学や技術の進歩により看護方法は変わりますので、研究をしてよりよい方法を見出すことで、将来の充実した看護実践に貢献できます。 日夜研鑽を積み、さらに看護の知識と技術、態度(姿勢)を深めることで、臨床において、患者が求めるよりよい看護実践をすることができると考えます。また、看護は職業としてのみならず、日常でも十分に役立つものです。あるのは明るい未来のみです。基礎看護学研究から広がる未来卒業後の未来像フローレンス・ナイチンゲールNotes on Nursing(看護覚え書)聖トマス病院のナイチンゲール病棟ナイチンゲールの墓千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程卒業。広島大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程後期修了(保健学博士)。2004年信州大学医学部教授に着任。松永 保子 教授「いつでも、いつまでもその人らしく生きる」を支援したい 【近赤外分光法を用いた前頭葉代謝解析による高齢者の回想想起と想起刺激の効果に関する研究】昔のことを繰り返し懐かしく思い出す回想は、認知機能低下を防いだり気分が良くなるという効果があると言われています。そこで、回想が脳活動や自律神経の働き、心理面にどのような変化を起こすのか測定し、回想の効果を明らかにすることを目指しています。研究がうまく進めば、高齢になることによる脳の活動低下や気分が落ち込むのを防ぐ方法が分かるかもしれません。 その他【主観的健康感に関する研究】【椅座位が下肢に及ぼす影響】【看護師のコミュニケーション能力】などの研究を行っており、その人らしい生活を送るために、看護に何ができるのか考えています。 認知機能の低下や気分の改善に効果があると言われる「回想」の効果を、脳活動や自律神経機能、心理尺度などを用いて明らかにしようとしています。その成果を、高齢になっても誰もが『その人らしく』生活できるような支援につなげます。 療養生活を支援する「看護技術」の効果を客観的に評価し、看護ケアの質の向上や看護基礎教育における学生の看護技術習得につなげます。 療養生活を送る対象が「その人らしい生活」を送ることができるよう、質の高い看護ケアを提供できる看護職を目指します。ケアする人として、看護の知識や技術の向上だけでなく、人との関わりや態度、こころも磨きましょう。目指すところは「ケアリング」。基礎看護学研究から広がる未来卒業後の未来像近赤外分光法を用いた代謝解析による高齢者の回想想起と想起刺激の効果に関する研究:測定器材を装着中看護方法論Ⅰ:ベッドメーキング演習看護方法論Ⅲ:ヘルスアセスメント演習日本医科大学看護専門学校卒、同大学付属病院、長野県がん検診救急センター救急部勤務。東洋大学文学部教育学科卒、信州大学大学院人文学研究科修了、同医学系研究科在学中。小林 千世 准教授看護学専攻基礎看護学領域

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