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医学科保健学科医学部附属病院将来、医療人として働くには、医学知識の修得だけでは不十分であり、医療人に相応しい態度・技能の修得が不可欠です。臨床実習は、患者さんを通して医療人としての態度・技能を学ぶ教育の一環であり、医学教育の中で最も重要なものです。医学部附属病院は、こういった臨床実習の場としてだけではなく、一般病院とは異なる特定機能病院として、より高度な診療及び臨床研究を行っています。本院の先端医療の代表的なものとしては、生活習慣病や糖尿病発症の予防、認知症やうつ病の発症メカニズムの解明による予防法の確立や遺伝学的検査による分子治療、がんの治療法「樹状細胞ワクチン療法」などの臨床研究と治療方法の開発などが挙げられます。卒業生の多くが附属病院に勤務し、診療・研究を行うとともに後輩の指導にもあたっています。チーム医療教育の充実を 目指した医学部医学科・ 保健学科の合同授業医学部では、チーム医療教育の充実を目指して、医学科・保健学科の合同授業として、1年次前期の「医学部合同新入生ゼミナール」と、4年次後期の「医学部合同チーム医療演習」という2つの授業を行っています。「合同新入生ゼミナール」では、1年前期の早い段階から、チーム医療の重要性や能動学習の意義と方法、そして、より良い医療のあり方を学ぶことを目的として、医学科・保健学科合わせて約260名の学生が40グループに分かれ、各自が調べた資料を題材にグループワークで討論し、それをスライドにまとめて発表を行うという授業を行っています。また、4年次後期の「合同チーム医療演習」では、より専門的な視点からチーム医療の重要性と各職種の役割、チーム医療における問題解決過程の進め方についての実践的な理解を深めることを目的として、医学科・保健学科合わせて約260名の学生が33グループに分かれ、リアリティーのある模擬患者の医学的、心理社会的な問題に対して、各職種の専門性を紡ぎ合いながら、問題解決の方向性について討論を行い、それをスライドを用いて発表するとともに、学生同士で質疑応答を行うという授業を行っています。このような1年次と4年次における医学科・保健学科の合同授業は、将来、医療の現場で求められるチーム医療マインドと具体的な問題解決過程の進め方について、体験的に学ぶことができる有意義な機会になっています。 医学部 SCHOOL OF MEDICINE TOPICS学びの視野を広げる 機会が充実医学部地域保健推進センターと信州医学振興会が共同で主催して市民向け健康講座を毎年、春と秋に開講しています。シリーズ毎にテーマを決めており、その分野の専門家の話を聞いて学ぶ機会があります。②保健学科共通専門科目臨床心理学、健康科学概論、公衆衛生学、医療社会学などチーム医療 演習医学科・保健学科合同⑤卒業研究4年間の集大成④臨床実習③専攻専門科目(開講時期は専攻により異なります)講義や協同学習、実習室での演習など【 4年間(6年間)の流れ 】医学部医学科では、医療者に必要な知識、態度、考え方を身につけるため、1年から6年までの一貫教育を行っています。保健学科では、国家試験受験資格に必要な基礎的・専門的科目を講義・演習・実習等で展開するほか、幅広い学際的知識や思考能力をもった医療人育成を目指しています。生命のしくみや各分野の基礎的な科目各専攻でのより専門的な各論・応用科目県内外の病院・施設・地域における基礎・臨床・統合実習統合・発展的科目1年次2年次3年次4年次5年次6年次特色ある授業紹介専門科目◦医学概論演習Ⅰ・Ⅱ◦ヒト生物学Ⅰ・Ⅱ◦人体の構造◦神経解剖学◦生化学入門①共通教育科目教養・基礎科目(ゼミナール、外国語、基礎科学など)共通教育科目教養・基礎科目(ゼミナール、外国語、基礎科学など)臨床実習◦臨床実習◦ユニット講義◦卒業試験臨床医学◦系統講義   ◦ユニット講義◦臨床医学TBL・・・等基礎医学◦解剖学演習・実習Ⅰ・Ⅱ◦発生学◦臨床医学入門Ⅰ◦基礎医学TBL◦医学心理学演習       ・・・等◦薬理学演習・実習◦病理学演習・実習◦法医学演習・実習◦自主研究演習      ・・・等基礎医学では、ヒトの身体の正常な構造や機能を支える仕組み、それが破綻して病気が生じる仕組み、そして病気を予防・治療する方法を学習します。臨床医学では、患者さんの症状をどのように整理して病気の診断に結びつけるかを学習します。講義は、系統講義、ユニット講義(それぞれの領域の疾患について総合的に集中講義を行う形式)、TBL(少人数での問題解決討論型演習)で行います。SHINSHU UNIVERSITY30

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