信州大学工学部2020
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03佐藤: みんな想像できますか?私が若い頃のテレビって、一家に一台の高級品だったんですよ!それが一人一台になって、当たり前のものに。というか、いまもうテレビはいらないんじゃない??大竹: はい。持っていない友達も多いし、あっても全然見ていません。部屋の置物みたいになっちゃってるかも。藤原: かつては珍しかったモノでも、これだけ普及して、そして余っている。ノムーン: モンゴルも同じ。都市部の生活は、日本と同じような状況ですよ。モンゴルでも日用品から家電まで、日本製、中国製いろいろ選べるし、基本的に必要なものはみんな持っている。髙田: モンゴルでもそうなんですね。いま、なにか製品が不足しているってことはあまりなくて、日常生活に必要なモノは行きわたっている。入野: でも正直、僕は不満があって、家電見ても同じような製品ばかりですよね。ロゴ隠したらどこの製品かわかんなくなっちゃうくらい。これってつまらなくないですか?大竹: そう。しかも技術的にはある程度、差がなくなってきてますもんね。例えばヘッドフォンを買うにしても1,000円でも10万円の製品でも、音楽を聴くって体験はできる。確かに音色は違うけもう、モノづくりの考え方は、古いかも??Mizue Kayama電子情報システム工学科教授香山 瑞恵Toshiro Sato電子情報システム工学科教授佐藤 敏郎Davaazorig Nomuun建築学科ダワーゾリグ ノムーンRyogo Takada総合医理工学研究科髙田 遼吾Akane Otake物質化学科大竹 茜Yota Irino電子情報システム工学科入野 耀太Shunji Fujiwara機械システム工学科藤原 俊史professorsstudentsど、劇的に違うかと言われると……。藤原: 安かろう悪かろうはかつての言葉かもしれない。日常で使う分には、満足できるレベルのものが多いと思う。髙田: 僕らのライフスタイルも変わってますよね。音楽はCDを買ってプレイヤーで聴いてたけど、いまはスマホから月額の聴き放題サービスを使う人が多くいる。だから、これ以上CDをつくってもほとんど売れないことがわかっている。ノムーン: モノが行きわたっていて、安い値段でもそこそこの品質、ライフスタイルも変わったとなると、この先にはなにが大切になってくるんですかね?大竹: そういえば、トヨタは「これまでのクルマの概念を超えてサービスを含めて価値提供する」って発表してました。これってクルマをつくって売るだけじゃなくて、その先を見てるってことですよね。佐藤: そうそう!まさに!モノとしてのクルマというより、人にとってどんな価値を打ち出せるかってこと。香山: 人々の価値が変わるのだから、モノづくりも変わると思います。というか、モノづくりって考え方はなくなるかも。藤原: モノをつくることにとらわれちゃいけない、僕もそう思います。教育と工学を組み合わせて人の学習を支援する学習支援工学を研究。国内外のフィールドワーク中心に地下における水資源研究を進める。東京都出身。次世代環境・エネルギー材料の研究室で二次電池を研究する。愛知県出身。情報工学を専攻し、競技プログラミングに積極的に参加する。宮城県出身。母国モンゴルでの社会課題解決のために留学し、建築を学ぶ。モンゴル ウランバートル出身。ロボット研究会に所属しNHK大学ロボコン出場などの実績を持つ。兵庫県出身。先端磁気デバイス開発を進め、現在複数の国家プロジェクトに参画。

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