工学部_研究紹介_2020_日本語版
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⼤空へ、そして宇宙へ!航空宇宙システムの研究開発と⼈材育成を推進研究から広がる未来【我が国の航空宇宙産業振興への貢献を目指して】産学官地域連携プロジェクトをとおして、国際競争力に劣る我が国の航空機装備品産業の発展に寄与します。また、宇宙分野においては小型衛星/小型ロケットの新たな市場が創出されていますが、部品・コンポーネントは依然として海外に依存しており、SUWA小型ロケットプロジェクトをとおしてロケットの要素技術の高度化を図り、地域宇宙ビジネスの創出に繋がる成果を目指します。研究支援部門研究支援部門航空宇宙システム研究拠点ロゴマーク;青は大空を、藍は宇宙を、白のシルエットは航空機/ロケットの機体を、赤はエンジンを示しています。デザイン;武井敦子さん(SUWA小型ロケットプロジェクト)SURCAS;Shinshu University, Research Center for Aero-space Systems【研究拠点のミッション】自動車産業に続く我が国の次代の基幹産業として航空宇宙産業の振興が国をあげて推進されています。航空宇宙システム研究拠点は航空機システム、宇宙システム、基盤技術、人材育成の4部門を置き、以下のミッションを掲げています。(1)航空宇宙産業のニーズを指向したプロジェクトベースの研究開発を推進(2)航空宇宙分野との関わりを通して地域産業の活性化,地方創生に貢献(3)研究成果を社会実装する若手人材を育成<航空機システム部門;航空機装備品システムの研究開発と人材育成><宇宙システム部門;小型ロケット開発/打上げ実証と人材育成><基盤技術部門;航空宇宙システムに共通する基盤技術開発と人材育成>拠点長天野良彦工学部長研究支援部門信⼤ー理研連携研究室研究室所属教員研究から広がる未来准教授金山直樹博士(工学)(東京工業大学)科学技術振興事業団CREST研究員、名古屋大学助手、筑波大学講師、理化学研究所研究員などを経て2016年より現職。専門は生体関連高分子材料、コロイド・界面化学。教授前田瑞夫工学博士(東京大学)東京大学助手、九州大学助教授、同教授を経て2001年より理化学研究所主任研究員。2016年より信州大学教授を兼任。専門は高分子化学、分析化学、バイオマテリアル。当研究室は、信州大学と特定国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)の連携・協力協定に基づき2016年に開設されました。理研は、1917年(大正6年)に創立された日本で唯一の自然科学の総合研究所であり、物理学、工学、化学、数理・情報科学、生物学、医科学などの幅広い分野の研究が行われています。私たちの研究室では、金属ナノ粒子や合成ポリマーなどの人工材料と核酸やタンパク質などの生体材料を化学のチカラで融合した「バイオ機能材料」の開発を通じて、ライフサイエンスや分析・診断技術への貢献を目指した研究課題に学生が中心となって取り組んでいます。「⽣物と物質のあいだ」の不思議な世界を化学の視点で眺め新しいモノ・コト作りに活かす!核酸・タンパクペプチド・糖など合成⾼分⼦・ナノ粒⼦無機・⾦属材料化学的な⼿法で両者を融合した「バイオ機能材料」の開発・評価ライフサイエンス(遺伝⼦治療・診断・イメージング)材料化学・界⾯化学(ナノマテリアル・ソフト界⾯)分⼦システム(分析・計測・制御)⼈⼯材料⽣体材料DNAを上手に利用すれば、ナノスケールの材料を意のままに操る道具になる!世界に先駆けて超高齢社会に突入しつつあるわが国では、今後、ますます増加・多様化が予想される医療ニーズに対して、医療の効率化・最適化を図りながら、予防医療・先制医療を実現するスマートなヘルスケアシステムに変革していくことが求められています。例えば、解読が完了して機能解析が進行中のヒトゲノムにおいては、遺伝子の特定の箇所における僅かな配列の違い(一塩基多型:SNP)が疾患の発症リスクや薬剤の感受性に関与していることが明らかになってきています。個人のSNP情報に基づいた「テーラーメイド医療」の重要性が謳われて久しいですが、世界中の誰もがSNP診断の恩恵を受けるために必要な簡便で安価なデバイスは未だに実現されていません。私たちの研究室では、人工材料と生体材料を化学のチカラで融合したバイオ機能材料の研究を通じて、次世代医療の抱える課題にも挑戦しています。72

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