工学部_研究紹介_2020_日本語版
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一つの文書はひとりの考えに過ぎませんが、それをたくさん集めると、社会の流れを読み解くことができます。たくさんの文書を読み解き、その底流に流れるものを明らかにする手段として、数学的な統計学を用いる手法があります。その手法を用いて、様々な文書から大学が社会に対して果たしている役割の分析をおこなっています。また、緊急車両による夜間作業時の安全性を確保するための、視認性を向上させるデザインの在り方を画像処理を通して追及しています。准教授松岡浩仁研究から広がる未来大学が社会に対して果たすべき一番の役割は、社会で活躍できる人材を育成することです。また、大学で研究されている様々な技術を、実社会で活用できるように実用化していくことも重要な役割です。社会で求められる人材像、社会が必要とする技術。これらを様々な声の中から分析し、大学を社会と強く結び付けていきます。「産学連携」を科学する【私の学問へのきっかけ】子供のころから車が好きで、車を開発するような仕事をしたいと思っていました。大学では小さな歯車の歯形形状などの精密測定や、ねじのゆるみメカニズム、新しい締め付け方法についての研究をしていましたが、その後たまたま産学連携のセクションに異動したことをきっかけに、県内のたくさんの企業さんとのつながりができ、大学の技術の社会への還元に興味を持ち、産学連携を主に研究するようになりました。統計的テキスト分析「共起ネットワーク」の一例。丸の大きさが出現回数を、関係の有無を線で示している授業「環境とエネルギー」より(KHCoderを用いた分析結果)⼯学基礎部⾨信州大学地域共同研究センター専任教員、信州大学工学部機械システム工学科准教授を経て2015年より現職太陽光風力騒音被害農業用水場所設置環境影響天候左右ダム管理利用関係建設生活負荷効率変換安定電力発電供給メンテナンス大変可能費用必要規模面倒問題時間限る比べる作れる取る選ぶ凍結使える少ないコスト低い高い面積小さい多い日本大きい安い比較的川人北アルプス広域消防本部が採用した新しい救急車のデザイン~バッテンバーグマーキング+シェブロンマーキング~夜間視認性の向上を目指している助教⾚﨑寿樹研究から広がる未来卒業後の未来像国立大学に対する運営費交付金の継続的な削減に伴い、大学の研究費は外部から獲得しなければならなくなっています。私は、工学部を中心として、研究を進めていく上で必要となる研究費の獲得のための支援(申請書の作成、論文・特許・市場調査、政策動向の調査、研究戦略の立案)や、産学官連携・異分野連携による共同研究体制の構築、関連する研究会の運営などを行っています。学生の皆様とあまり接する機会はないと思いますが、信州大学の先生方は、研究に情熱を持って取り組んでいます。学生の皆様には、自分が将来行いたい事を思い描き、やりたい研究の道へ進んで頂けたらと思います。鹿児島大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。その後、㈱鹿児島TLOで、NEDOフェローとして産学官連携専門人材として従事し、平成20年12月から信州大学に着任。⼯学部の研究費獲得のための⽀援を⾏っています⼯学基礎部⾨信州大学には、世界的にも立派な研究を行っていたり、地域産業界・文化との連携により貢献したり、立派な先生方が大勢いらっしゃいます。私は、そのような研究を行う先生方が、夢に近づけるように、研究環境を資金面や研究体制の面から支援し、社会貢献や科学技術の発展に結び付けられたらと思っています。平成28-30年度に支援して採択された競争的資金の事業の一例食・農産業の先端学際研究会(FAID)産学官金連携・農商工連携による研究開発と実用化を!省庁名事業名研究課題名JST未来社会創造事業(探索加速型)100MHzスイッチング電源用磁心材料開発JST未来社会創造事業(探索加速型)健康寿命延伸のためのパーソナルライフケアICT基盤の創出総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)ウエアラブルデバイスによる拡張現実(AR)と可視光通信を組合せた多言語表示システムの開発NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラムβ型酸化ガリウム6インチ基板の開発71

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