工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授吉田尚史研究から広がる未来卒業後の未来像吉田研究室は、流体の流れ現象をスーパーコンピューターなど計算機を用いて数値シミュレーションする研究を行っています。身の回りにある空気や水など流動する物質を流体といいます。流体の流れは身近な工業製品から地球環境まで広く関係しています。流体の運動をコンピューターで計算することで、目に見えない複雑な流れの現象をデータ化し可視化することで解明することを目指しています。さらに流れを制御することを目指しています。例えば、開いたキャビティを過ぎる流れの自励振動をコントロールする新しい方法を研究開発しています。流体の運動は目に見えなせん。そこで計算を高速で行うことができるスーパーコンピューターで数値的に解く数値シミュレーションが有効なのです。目に見えない空気や水の複雑な流れを可視化することができ、その物理を解明することができるようになります。数値シミュレーションの技術は、様々な工業製品の開発に広がっています。卒業生は機械メーカーエンジニア、プラントエンジニア、ソフトウェアエンジニア、システムエンジニアなど様々な分野で活躍しています。名古屋大学工学部助手、信州大学工学部助手、講師を経て2003年より現職。研究分野は流体工学。特に、数値シミュレーションによって流体を研究する数値流体力学を専門とする。スーパーコンピューターで計算する流れのメカニズムとコントロール【私の学問へのきっかけ】青い空にまっすぐに伸びる白い飛行機雲を見たことはありますか?何十トンもの飛行機が人を乗せて飛べることは不思議ではありませんか?流体力学に興味を持ったきっかけは、飛行機はなぜ飛ぶことができるのかと不思議に思ったからです。飛行機が飛べるのは翼の周りの空気の流れによって発生する揚力によることを大学の授業で知りました。目に見えない空気の流れがもつ複雑な物理に惹かれ、流体力学の研究に進みました。機械システム⼯学科キャビティ長さ2.0の自励振動(モード2)キャビティ長さ3.5の自励振動(モード3)キャビティ長さ5.0の自励振動(ウェイクモード)助教種村昌也研究から広がる未来卒業後の未来像種村研究室では、システムを自在に操る制御工学の研究を行っています。制御工学は、機械系、電気系、他にも経済といった多岐にわたる分野で活用されている技術です。制御工学を最大限活用するためには、システム(操りたい対象)を解析しシステムの特長を理解する必要があります。種村研究室では、高校までに学習した数学の知識に、大学で新たに学ぶ専門知識をプラスし、『最適化数学』や『制御工学』の知識を活用することで、新しいシステムの解析方法や制御手法の構築に取り組んでいます。特に、近年注目されているビッグデータを制御理論に活用するといった研究も行っています。制御工学は様々な分野で活用されているため、その研究成果は高い波及効果があります。特に、近年注目されているビッグデータを活用した手法は、機械学習やAIとマッチした次世代の制御理論に発展すると期待されます。種村研究室では、制御工学の基礎を身につけます。ものを動かす上では、制御工学の知識が必須となります。そのため、研究室でしっかり学び、研究に励むことで、幅広い分野において活躍できるときると考えています。信州大学大学院博士課程を修了後、名古屋大学特任助教を経て、2019年より現職。制御工学、データ解析、推定理論などの研究に従事。『制御⼯学』によるシステムの解析と実世界への応⽤【私の学問へのきっかけ】高校生の頃、物理を学びその面白さに惹かれたのが学問に興味を持ったきっかけだったと思います。そして、大学へ進学し、制御工学の研究室に配属されると、数学の重要性がわかってきました。今まで学んできた、物理(実物)と数学(理論)をつなげてくれたのが制御工学でした。大学教員になるとは思っていませんでしたが、興味のあることを続け、そして、たくさんの方のお力添えがあったおかげで、今の自分があります。機械システム⼯学科三慣性軸ねじり振動系装置柔軟構造物実験装置考案した制御手法を実機システムにより検証する60

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