工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授牛立斌研究から広がる未来卒業後の未来像地球環境保全の観点から、地熱などの自然エネルギーを用いる発電の導入や拡大が必要とされています。化石燃料を用いる火力発電に対してもなお一層の熱効率の向上による環境負荷の軽減および安全性・信頼性などが求められています。牛研究室では、地熱および火力発電プラント蒸気タービン材料やボイラ機器材料の各種腐食破壊機構を解明し、材料の耐食性向上に関する研究を行っています。また、火力発電プラント高温機器用耐熱鋼について、過酷な環境における耐久性向上のための高温強度特性向上に関する研究も行っています。牛研究室では、鉄鋼材料を主として構造材料の強度特性、耐食性、耐熱性およびさまざまな破壊挙動に関する基礎的および応用的な研究を行っています。実験、分析、ディスカッションならびに学会発表等を通して金属材料関連の知識および実践能力を身につけます。将来、技術者や研究者として社会に貢献することが期待されます。卒業生は、鉄鋼材料、機械、自動車、電力、電機などの関連企業で、研究開発、設計、生産管理など多くの分野で活躍しています。また、公務員になった方もいます。発電プラント(地熱・⽕⼒等)機器材料の環境強度特性向上、安⼼な発電を⽬指す!【私の学問へのきっかけ】高校のときは「物理」と「数学」が好きで、とくに物理の力学部分と数学の幾何学部分が大好きでした。大学では機械工学を学び、とくに「材料力学」と「材料学」の内容にすごく魅かれていました。いまは金属材料の関連分野で好きな教育研究を行えて、いろんな苦労があっても嬉しいことが沢山あります。機械システム⼯学科信州大学工学部助手、助教授を経て、2007年より現職。材料環境強度学の分野において、プラント機器材料の高温強度や耐食性等の関連研究を行っている。地熱蒸気タービンブレード用13Cr鋼表面における孔食の発生・成長挙動の調査(孔食断面の二次電子像および腐食生成物のEDSによる元素分析結果)200μmCrFeO300nm炭化物ラス境界消失したラス境界火力発電プラント高圧蒸気タービンロータ用耐熱鋼の高温経年使用による組織劣化機構の探索(マルテンサイト相のラス幅増大による回復)(a) 透過型電子顕微鏡写真(b)ラス組織のイラスト准教授藤井雅留太研究から広がる未来卒業後の未来像本研究グループでは新たな機能や物理を発現するこれまでにない構造の設計と優れた性能を実現する革新的な設計法の構築を目指し、主にトポロジー最適化に関する研究を行い、関する構造表現法、最適解探索アルゴリズム、制約条件およびその実装法、関連する数値解析手法の開発に力を入れて研究開発を行います。また、開発したトポロジー最適化を用いて透明マント効果を実現する『クローキングデバイス』などの先進的なデバイスの設計を行います。製造業をはじめとした様々な企業にエンジニアとして就職した学生、院生がほとんどです。博士(工学)名古屋大学2012年4月-2013年9月秋田県立大学助教2013年10月-2019年3月信州大学助教2019年4月-現在信州大学准教授専門:計算力学、計算科学、設計工学トポロジー最適化による新しい機能の創⽣と⾼性能化【私の学問へのきっかけ】学部の4年生のときに研究室配属され、そこで研究の面白さに気がつきました。研究分野や内容に関わらず、何かしらの結果を出したときの達成感や研究生活に充実を感じたのだと思います。そして、強く研究職を希望するようになりました。機械システム⼯学科有限要素法などの数値計算の結果からフィードバックを受けて、性能を改善する最適設計に関する技術はこれまでにない高性能なデバイス、実現されていない性能を実現する可能性があります。誘電体光学クロークの最適化構造と無散乱化された電磁波不規則な構造内での光局在58

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