工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授亀山正樹研究から広がる未来卒業後の未来像亀山研究室では、軽量・柔軟な機械構造物の知的化(スマート化)による安全性や信頼性、環境適合性の向上に取り組んでいます。私たちの身の回りにある機械構造物は、さまざまな設計基準を満たすようにつくられていますが、近年、特に重要視されている設計基準として『安全性』『信頼性』『環境適合性』があります。『最適設計』『形状・振動制御』『ヘルスモニタリング』は、機械構造物の高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が同時に実現できる技術として、非常に期待されています。高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が求められる機械構造物として、例えば『航空機』があります。亀山研究室では、安全・安心でかつ環境に優しい革新的な航空機の実現に役立つ技術に関する基礎的研究を進めています。亀山研究室は、主に自動車・輸送機器・電気機器メーカーに卒業生を輩出しています。研究活動を初めとした学生生活の中では、『自主性』と『物事を俯瞰的に見る力』を養うことを主眼においた指導を行っています。東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻助手、同助教を経て、2010年4月より現職。研究・専門テーマは、空力弾性学、構造力学、最適化、等、主に知的複合材構造の最適設計。安全性・信頼性・環境適合性の向上を⽬的とした、機械構造物の知的化【私の学問へのきっかけ】学生時代の指導教員との出逢いが、現在の職業や研究のきっかけです。もともとは人工知能、その後はレーシング・カーの周りを流れる空気の力学に興味がありました。卒業研究では、複合材料の力学という全く異なる分野を扱う研究室に配属されることとなりましたが、その結果、大学教員としての現在の自分があります。何事も『ご縁』と『タイミング』なんだな、と感じています。機械システム⼯学科圧電素子を用いて発生させた波が構造物中を伝わる際の特性を利用して、構造物に生じた損傷を自動的に検出する複数の設計基準を同時に考慮した場合の最適な構造を、コンピュータを利用して自動的に求める27.027.528.027.027.528.028.5 Pareto optimal solutionsNormalized fundamental frequencyNormalized compressive buckling loadxyz准教授酒井悟研究から広がる未来卒業後の未来像対人安全性の保証に始まるロボット工学三原則を反芻しつつ、「如何にロボットを制御するか」という問題に終止符を打つべく皆さんの仮説を実験してみませんか?新しい原理、新しいメガネをかければ学生も研究者に変身です。本研究室で発見された成果は、教科書手法の40%以下の時間で同一結果を得る計算法、未解決であった力学的ヒューマンロボットインタラクションを実現する制御法、色・形の画像処理が不要な制御法などとして、国際一流学術論文(国際共同研究)、国際特許、国力を代表する機械メーカからの技術相談・共同研究など社会貢献をしています。BigDog・Atlasなど軍事用油圧ロボットが登場しましたが,(広義の)モデルベースト制御は未完成のままです。人命救助を含む非軍事用油圧ロボットのモデルベースト制御を本研究室は開発しています。ロボット工学三原則の第1条を担う新しい動力学と制御,機械系エンジニアの知識の高度融合によって社会が変わることを見通しています。社会人向けの制御技術セミナーが増えています。教科書だけではニーズの高い制御技術を勉強することは困難だからです。本研究室では制御技術を実験しつつ機械系エンジニアと議論しながら勉強することもできます。研究室卒業生もメーカ(日立製作所,クボタ,アマダ,ホンダ,パナソニック,古河機械金属,オークマ)などで活躍中です。京都大学情報学研究科PD、オランダTwente大学電気工学科客員研究員、千葉大学工学研究科助手・助教を経て、2010年より信州大学准教授。研究分野はロボットのシステムと制御。新しい⼒学と制御原理に基づく最先端ロボット⼯学【私の学問へのきっかけ】発明家にあこがれ,院生までコンテスト応募しました。剣道と同時に中高校生の一時期はプログラミング(MZ80K2E)に励みました。家業の影響で工学部に進ませていただき,油圧アームの震動台を知りました。数学科など他学部友人が増え,重工の先生先輩がおられ油圧アームの解説を担当していた農業ロボット研究室で5年間,3年目からポスドクまで制御工学研究室で輪読・勉強させていただき,海外のロボット工学研究室に留学させて頂きました.機械システム⼯学科実験装置(左上,左下,右下)と動力学モデル(右上)55

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