工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授松本明人研究から広がる未来卒業後の未来像松本研究室では、都市に住む人々の生活環境や健康をまもるため、微生物を利用した排水や廃棄物の処理技術の開発がおこなわれています。たとえばメタン生成菌と呼ばれる細菌の能力を利用し、生ごみや生活排水に含まれる汚れ成分(有機物)をメタンに変換し、環境浄化と同時にエネルギー資源を取り出す研究が進められています。このような細菌の持つ様々な能力を利用した維持管理が容易で使いやすい環境浄化の「適正技術」が、自然の浄化作用や古くから用いられてきた伝統的な排水・廃棄物処理技術を参考に探求されています。「適正技術」とは、それぞれの地域の要求に見合った中小規模の技術です。例えば装置の構造が簡単で維持管理し易く、しかも運転に必要なエネルギーが少ない排水処理システムは、開発途上国や過疎地域への適用が考えられます。近年は卒業後、国や地方自治体へ就職する学生が増えていますが、建設会社や環境装置メーカー、そしてエンジニアリング会社に就職する学生もおります。メーカーやエンジニアリング会社へ就職する学生の多くは大学院に進学します。三機工業株式会社を経て、1993年より信州大学。研究分野は衛生工学および水環境工学で、最近は水環境の評価を通じた環境教育ツールの検討もおこなっている。微⽣物を利⽤してまちをきれいにする環境浄化の『適正技術』を求めて【私の学問へのきっかけ】土木の道に踏み出したきっかけは身近なところに土木関係者が多かったためです。そして大学研究室で出会ったアジア各地から来る留学生の真摯な姿勢に刺激を受け、さらに、活気に満ちた建設現場(東北新幹線など)を学外実習等を通じ、体験できたことが土木に対する思いを高めてくれました。⽔環境・⼟⽊⼯学科汚染や処理状況の確認のため、様々な分析装置を利用する河川調査では水質以外に魚の棲み場や河川敷の活用も調査する准教授藤居良夫研究から広がる未来卒業後の未来像近年、自然環境の保全や持続可能な社会が求められており、環境に配慮した地域社会の構築が必要とされています。藤居研究室では、地方都市や中山間地域における計画論、地域環境および流域環境の分析・評価、社会開発に対する計画・手法などに関する研究を行います。研究内容は大きく次の3つの分野に分けられます。1.都市計画・農村計画に関する分野2.景観分析および評価に関する分野3.環境計画・環境評価に関する分野⽔環境・⼟⽊⼯学科地域の環境を分析してまちづくりを考えます画像処理により、まちの景観を分析・評価し、地域・都市の計画づくりに活かす人工衛星データを活用して、土地利用の変化を分析し、将来の予測を行い、地域・都市の計画づくりに活かす京都大学および同大学院修了後、島根大学を経て、現在に至る。土地利用計画やマスタープラン等に係わる土地利用および地域環境、生活環境の時空間的変容の分析評価を行い、将来計画への反映を図ります。都市景観や農村景観の評価を通じて景観計画、景観保全を考えます。さらに、都市における景域変化をとくに緑地の配置から評価します。多くの卒業生が公務員(専門職)として、また、コンサルタント(都市計画、環境計画分野)会社やJRで活躍しています。46

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