工学部_研究紹介_2020_日本語版
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教授梅崎健夫研究から広がる未来卒業後の未来像梅崎研究室では、豪雨や地震などによる土砂災害、地すべり、地盤沈下などに対する防災・減災のために、土の強度や変形特性に関する基礎的な研究を実施しています。また、水質汚濁や悪臭が問題となっている閉鎖性水域の水質・底質浄化対策のために、室内実験や諏訪湖などにおける現地調査および実証実験にも取り組んでいます。さらに、放射性物質で汚染された地盤の除染技術の開発や環境修復に関する研究も行っています。これらは、多くの民間企業との共同研究として実施されており、また、省庁や民間団体が企画した研究プロジェクトなどにも参画しています。人々が生活している地域や都市部の防災・環境保全から、宇宙開発における月面基地の建設、惑星探査や海底都市の建設、海底探査までの夢のある研究です。研究室では、学生たちが自主的に様々な実験・解析を日々行っています。快適で安全・安心な都市計画や防災対策などに携わる省庁や地方自治体、社会資本の整備などに携わる建設会社や環境調査会社、また、大学院進学を経て大学などの研究機関などへ卒業生を輩出しています。九州大学工学部助手、信州大学工学部助手、助教授を経て、現職。主な研究分野は、軟弱地盤の改良技術、閉鎖性水域の水質・底質浄化対策、化学物質の新たな適用など。災害を防ぐ、環境を守る-⼟の⼒学から⽣活環境まで-【私の学問へのきっかけ】センター試験(当時は共通一次試験)、得意なはずの数Ⅰの1問目、logの計算が解けず頭が真っ白になりました。焦りから次も次も解けません。そこで、最後の問題から逆に解答して行き、解答を済ませましたが、単純な計算ミス等で80点失いました。当時の人気学科を「あっさりと」諦め、祖父母の家から通える大学の土木工学科に入学しました。ちなみに祖父は大工の棟梁でした。計算より実験が好きでした。地盤工学を選んだのは「何となく」身近に感じたからです。環境を受け入れ、周りの人々に恵まれ、恩師の薦めで「運良く」研究者になりました。その都度、「最後は自分で」決断し実行しました。⽔環境・⼟⽊⼯学科空洞構造体による東日本大震災の復興を提言閉鎖性水域(諏訪湖)における底泥のサンプリングと湖底地盤の強度調査および密度検層教授大上俊之研究から広がる未来卒業後の未来像大上研究室では数値解析とシミュレーションによって土木工学分野における様々な問題の解明に取り組んでいます。例えば、・材料物性値のパラメータ同定・災害時における避難行動のマルチエージェントシミュレーション・土砂災害の危険性評価・種々の数値解析手法の効率化の検討等です。数値実験には、材料や大きさ、特殊な設備がいらない、短期間に実施できるなどの利点があります。対象とする問題が災害などのように実験による検証が困難である場合、シミュレーションにより災害対策の効果を予め把握することも可能となり、防災計画に有益な情報を提供できるようになります。同研究室の卒業生は、国土交通省や県庁、市役所などの官公庁、JR、建設会社、コンサルタント等へ就職して、幅広い分野で国土の整備や地域の安全、発展のために活躍しています。信州大学大学院工学研究科修了、県庁勤務の後、信州大学助手、助教授、准教授を経て、2012年より現職。主な研究分野は構造工学における数値解析、災害危険区域の抽出構造の⼒学を解析する、防災を調べる【私の学問へのきっかけ】大学時代の指導教員との出会い、卒業研究で構造解析の定式化、プログラミングに興味をもったのがきっかけです。【写真&写真キャプション】写真フォーマット:上下2つのエリア分。幅約311px程度の画像キャプション文字数:各28文字程度河川氾濫時の避難行動シミュレーション避難行動の影響要因を分析することによって、安全計画のための情報を得る⽔環境・⼟⽊⼯学科連続繊維シートによる鉄筋コンクリートはりの補強効果各補強パターンによる亀裂発生状況の違い40

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