工学部_研究紹介_2020_日本語版
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教授劉小晰研究から広がる未来卒業後の未来像劉研究室では、電流、電界や機械振動による電子のスピンの制御に関する研究を行っています。電子のスピンは‟記憶”の性質が持っています。これらの性質は超低消費電力の計算機メモリー、ロジック素子、特にモノのインターネット(IoT)に適しています。研究室では、ナノメートル(10-9m)の厚さを持つ均一な薄膜の作製技術とマイクロスケールの微細加工技術を揃えています。高性能な電子のスピン状態を評価する装置を開発しています。電子のスピンと機械振動が相互作用を利用し、音声、振動のエネルギーをIoT駆動するための電力に変換するデバイスを開発しています。高度情報化社会の中枢であるロジック・メモリデバイスの消費電力の低減は劉研究室の研究です。電子のスピン制御に関する技術学習し、GreenIoT社会の実現ための研究を行っています。固体物理、磁性と磁気材料工学、電気磁気計測、高感度センサー、微細加工(リソグラフィー)、高性能薄膜堆積、ナノ、マイクロスケールの特性評価など幅広い知識が獲得できます。イギリス・グラスゴー大学博士研究員、信州大学助教授、信州大学准教授を経て、2014年より現職。研究分野はスピントロニクス。特に、電子のスピンを不揮発性メモリー、論理素子の創成並びに磁性材料の評価。低消費電IoT実現ための電界駆動磁気スキルミオンに関する研究。NanoLett.,2019,19(1),pp353–361,DOI:10.1021/acs.nanolett.8b03983Toward Green IoT :電⼦のスピンを⽤いた新規デバイス電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】現在電子の電荷制御を用いたロジック・メモリデバイスは高度情報化社会の中枢を担うに至っています。しかしながら微細化にすることによって、電荷の漏れ(リーク電流)の増大等問題が頭在化しています。一方、電子のスピン制御に関する技術を利用したメモリ・ロジックデバイスは、記憶不揮発性、高速動作、高集積化、高信頼性及び繰り返し耐性等の特長を持ち、Beyond CMOSの有力な候補となっています。振動、音声のエネルギー収集できるデバイス。AdvancedElectronicMaterials,2019,5(1),1800467,https://doi.org/10.1002/aelm.201800467情報システムの「信頼性(Dependability)」に関して、ネットワークのQoS・暗号化通信に代表される「安全性(Safety)」とともに、システムの堅牢性(Reliability)を確保することが大変重要です。高い信頼性が要求される情報システムのために、可能な限り誤り(バグ)を排除した設計に仕上げていくことが重要な課題です。和﨑研究室では、「100%バグフリー設計」を目指し、ソフトウェア分野で(1)特に並列システムを対象とした、設計の全網羅的な検査システムと検証ツールの開発と(2)上流工程からの一貫設計検証環境、などを研究しています。教授和﨑克己研究から広がる未来卒業後の未来像ソフトウェアは目に見えず重さも無く、「情報(ビット)」という形で格納される、不思議な工業製品です。ソフトウェアの設計を検証することで、正しく動く信頼性の高い製品やサービスを提供することができます。高い信頼性を持つ情報システムの設計・開発や組み込みシステムに活かされます。通信ネットワーク、ソフトウェア開発、システム設計エンジニア、クラウドサービス企業などに卒業生を輩出。自律的な論理的思考ができる技術者・研究者の育成のため、日頃から研究の議論・ゼミ活動を中心とした指導を行っています。研究の成果は国内外の学会や論文で発表しています。長野高専助手、信州大学工学部情報工学科助手、助教授、大学院工学系研究科准教授を経て、2009年より現職。研究分野は、並列分散システムのモデル化と解析、非同期回路の数学モデルと形式検証、モデル検査系、など。★設計を検証するって、とっても重要★「100%バグフリー設計」を⽬指して!!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】高校生の時、世間ではパソコンが発売され始めていて、一日中プログラミングができる仕事に就きたいと考え、情報工学分野への進学を決めました。私が学問の道を志すきっかけとなったのは、所属研究室の指導教授から、情報システムと数学との深い繋がり、そして研究活動の成果は特定の製品に留まらず、幅広い応用に活かされることを学んだからです。大学で学んだ知識や経験は、今の研究の全てに繋がっています。学問の煌きを、皆さんも大学で体験して下さい。HiPSツール:階層型ペトリネットを設計・解析・シミュレーション実行する統合環境並列分散システムのモデル化http://sourceforge.net/projects/hips-tools/ SPINモデル検査ツール統合環境iSPINによる検証とランダムウォーク・シミュレーション実行の様子(通信プロトコル設計の検証中)39

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