工学部_研究紹介_2020_日本語版
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助教山﨑浩研究から広がる未来卒業後の未来像人工知能がチェスや囲碁などのゲームで人間に勝つようになりました。また、人間の仕事を人工知能が行うことが増え、作曲をしたり小説を書くこともできます。これは機械学習や深層学習という技術により、コンピュータが人間のように学習・成長することで可能になりました。山﨑研ではコンピュータを学習・成長させ、コンピュータにできることを増やすことを目指しています。現在は画像検査や論理的文章の生成を行っています。コンピュータが学習して正しい結果を出すにはたくさんの課題があります。そのため、数理形態学などの数学を利用して効率よく学習する方法についても研究しています。技術の発展により、小説や映画の中で出てきたようなものが現実に利用できるようになってきました。人工知能は機械が人間的な判断や反応を行うための技術です。この技術により今は空想でしかないものが現実になっていきます。機械が正しく動くように育てるには正しい情報を正しい手順で学習させる必要があります。そのために論理的思考や数理的思考が必要となります。そのような思考能力を備え機械を使いこなせるようになります。1997年より同大学助教。形式化数学記述言語による定理の検証や画像処理司法の検証の研究に従事。具体的な対象としては数学基礎定理の形式化・検証・ライブラリ編纂、画像処理、e-ラーニングと機械学習に取り組む。【私の学問へのきっかけ】高校生の時に数学とコンピュータが好きでした。また、哲学にも関心があり、人間の“考える”という行為を人間の脳をモデル化して学習するニューラルネットワークに興味を持ちました。さらに、大学で先生や仲間と楽しく研究できたのがきっかけとなりました。学習(特徴の形式化)円楕円三角線分円?線分?三角?線分?判定学習するコンピュータ!コンピュータを育てる!!電⼦情報システム⼯学科教授山本博章研究から広がる未来卒業後の未来像山本研究室では、より安全で効率的な検索を行うための基本技術の開発を行っています。社会の情報化が進むにつれ、データをサーバコンピュータに保存し、ネットワーク経由で利用する形態が拡大しています。このような利用形態において、個人情報や機密データなど第3者に知られたくない情報を扱うためには、データを暗号化して保存することが重要です。そのため、暗号化データを暗号化したまま検索する検索技術(検索可能暗号)の開発が活発に進められています。研究室では、多様な検索を、高い安全性を保持したまま効率的に実現する新たな検索可能暗号の開発を行っています。山本研究室では、安全で効率的な検索技術の開発に取り組んでいます。これは、暗号化されたデータを暗号化したまま検索する技術です。クラウドサービスが普及する中、高度情報化社会では、情報を保護するため、安全で効率的な検索技術は欠かせません。そのため、同研究室では新たな技術の開発に取り組んでいます。情報化はあらゆるところで進んでいるため、情報セキュリティ、情報検索の分野はますます重要な技術になります。卒業生は、IT企業、電機メーカなどに留まらず幅広い分野で活躍しています。東北大学大学院博士課程修了後、東北大学電気通信研究所、山形大学工学部を経て1988年より信州大学工学部に勤務。2003年より現職。研究分野はアルゴリズムの開発、情報検索、情報セキュリティ安全で効率的な検索技術を求めて電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】研究の世界に入った一番大きなきっかけは大学院への進学かと思います。当時は,コンピュータ関連の分野は新しい学問分野であり,魅力的でした。そのため、大学院へ進学し,専門分野をさらに深く学び,新たな研究をしてみたいという思いでこの道に進みました。学生の活躍:2016年情報セキュリティの全国大会で学生論文賞を受賞。左がその全国大会で受賞論文を発表している様子、右は学生論文賞に対して授与された盾安全な検索システム:鍵をもつ正規利用者だけが、検索サーバにアクセスし、暗号化データを検索することができる。検索サーバは暗号化したままデータを検索する。38

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