工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授宮地幸祐研究から広がる未来卒業後の未来像人類の最も貴重な資源の一つである電気エネルギーは、生成から消費に至るまでの配電・電力変換中に合計で半分近く失われています。特に消費者に近い電力変換段は効率が低くなりやすく、小型化や非接触化といった利便性向上の要望も強いため、課題が多いです。宮地研究室では、アナログ半導体集積回路設計をコア技術とし、磁気・無線分野といった他研究分野と連携しながら小型で高効率な電源回路や高度なセンサーを追求することで、電気エネルギーの損失を低減し、持続可能かつ利便性の高い社会の実現に貢献します。電子機器のサイズの3割近くが電源に関する回路やその冷却機構と言われており、高効率化、小型化、非接触化が進めば電子機器がさらに小さく、省エネになり、現在給電に必要なたくさんのケーブルが減ります。半導体、電機、電子部品、計測機器企業への就職が多いです。企業とほぼ同じ設計環境なので、修士以上は即戦力として評価が高いです。中途採用市場も大きく、上記企業以外にIT企業や自動車メーカーの設計者募集が増えてきています。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、東京大学特任助教、中央大学機構助教を経て2013年度より信州大学助教。2015年度より現職。研究分野は半導体集積回路技術を用いた電源、センサー回路設計。集積回路設計技術を⽤いて電気エネルギーを効率的に届ける電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】大学入学当初は電子という見えない存在を扱った学問や仕事を何となくしたいと思う程度でした。研究室に配属されてから業界でトップを走り社会貢献する先生・先輩方を見て、そうなってみたいと思ったのが本格的に学びはじめたきっかけです。その後、この分野の学問体系の高い完成度と実用性(集積回路はダイナミックなビジネスの世界にも接点がたくさんあります)、裾野の広さを面白いと感じ、今に至っています。CADツールを用いた集積回路設計を通じて本物のチップの試作が可能。実物測定時の風景(左)と試作したチップが入ったケース(右下)。チップを電子基板に実装して測定評価。助教Myo Than Htay研究から広がる未来卒業後の未来像橋本教授とともに従来の太陽電池より効率のよい光電変換素子の新しい構造を探究しております。また、太陽の光を集めて得られる高密度なエネルギーの有効活用技術の開発し、関連の環境調和材料の探索を行っております。地球環境に優しい再生可能なエネルギーデバイスを創出して持続可能な社会の構築に貢献できます。環境調和型電子材料の応用範囲を開拓し、環境負荷の軽減につなげます。低環境負荷作製プロセスを活用し、生産活動のグリーン化に寄与します。環境エレクトロニクスに関連する研究に携わることで学生自身の成長を促進し、卒業後は、次世代を担う有望な環境エレクトロニクス技術者として、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。ヤンゴン工科大学卒(ミャンマー)信州大院工学博士研究分野:・化合物系半導体材料の作製と応用・透明導電材料の作製及び応用・太陽エネルギー利用技術太陽エネルギー利⽤技術及び関連材料の研究電⼦情報システム⼯学科環境にやさしい新材料の探索として、酸化亜鉛(ZnO)ナノ結晶の研究を行っています。環境にやさしい作製プロセスの研究も行っています写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm本研究室で開発した超音波噴霧熱分解装置本研究室で開発した太陽集光加熱装置本研究室で開発したナノ材料の様々な構造私の学問へのきっかけ】小さい頃から身の回りにある便利な数々の電化製品をみて、これらはどのような仕組みでできているのかを知りたいと思い、この学問に入りました37

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