工学部_研究紹介_2020_日本語版
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教授丸山稔研究から広がる未来卒業後の未来像丸山研究室では、機械学習関連技術と画像などを中心とした各種情報の理解・認識・検索・生成などへの応用を中心とした研究を行っています。我々人間は、感覚器を通して様々な情報を統合して外界を認識・理解する高度で柔軟な能力を有しています。また、このような能力は日々の経験の中で学習によって培われてきたものであると考えられます。当研究室では、人間の持つこのような学習・認識能力をコンピュータ上で実現するための機械学習に基づく手法に関する研究を行っています。深層学習をはじめとする機械学習技術は、インターネット上での多様な情報の認識、高度な検索、膨大なデータからの有用な知識の抽出、人間-コンピュータ協調システムなど、広範な応用が考えられます。近年、当研究室の卒業生のうちの半数以上は大学院に進学しています。卒業後の最近の就職先はインターネット関連企業が多くなっています。その他、ソフトウエア関連企業、電機メーカなどが中心で、ゲーム開発企業に進む学生もいます。三菱電機中央研究所勤務を経て、1996年より信州大学勤務。1990-1991 MIT人工知能研究所visiting scientist.研究分野は機械学習、コンピュータビジョンなど。機械学習に基づき、多様な情報を表現・理解する能⼒の獲得を⽬指して電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】受験時では工業化学系に進むつもりでいたのですが、大学入学後に方針転換。理学部数学科などへ進学して純粋数学などを専攻してはいけない能力(身の破滅)なのは自覚していたので、数学で様々な工学の問題に取り組むという点、特に脳の数理モデルなどの生体情報処理に興味を持ち、数理工学関係の学科への進学を選択しました。就職した会社では研究所でコンピュータビジョン、グラフィックス、ニューラルネットワークなどの研究に従事し、現在も機械学習を中心としたこのような分野に興味を持っています。画像とテキストなど異なる種類の情報(マルチモーダル情報)を統合・表現する空間を学習により獲得情報検索への応用:言葉(キーワード)と画像の組み合わせによるアナロジー検索の例DayとSunsetとの関係が上の画像との間に成り立っているような画像を検索した例教授水野勉研究から広がる未来卒業後の未来像「離れた場所にある機器に電力を送りたい」。これを可能にする技術が非接触給電です。この技術は電気エネルギーを磁気エネルギーに変換することで、導線を接続しなくても電力を供給することができます。この技術が確立すれば携帯電話などをコードに接続せずに充電できるようになるばかりか、家の壁中にその装置を置くことで、すべての家電をコンセントに接続せずに動かすことも可能になります。しかし、エネルギー効率が悪いという課題があり、コイルの構造や用いる導線の工夫等によりそれを改善する研究を行っています。非接触給電技術が確立すれば、家庭から充電コードが消えたり、医療現場や災害現場などに用いるロボットの電池切れがなくなったりと非常に意味のある研究です。学生と企業人とが一致団結して、夢のコードレス社会実現に向けて日々研究に励んでいます。電力会社や電機メーカなどの幅広い分野の企業に卒業・修了生を排出。また、技術者・研究者として必要となる科学技術の修得だけではなく、将来研究リーダとして必要とされる「素養」と「躾」の教育も4年生や大学院生に指導しています。株式会社アマダを経て、2011年より現職。研究分野はリニアモータや電磁アクチュエータ、電磁センサ、電力変換デバイス。⾮接触で電球が点灯、電気磁気の不思議!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】高校生の時に、オーディオアンプとスピーカを自作したのが電気工学に強く興味をもったきっかけであり、大学では電気工学科に進学しました。学部生のときに磁気工学、特にリニアモータの高加速・高速移動に強く魅かれました。就職先でもリニアモータや磁気センサの研究開発の業務に携わりました。そして、大学に赴任後も磁気モータ・アクチュエータや磁気センサ、ワイヤレス電力伝送、DC-DCコンバータなどの磁気工学に関する研究開発に従事しています。非接触で電球が点灯二つのコイルを用いており、コイル間の距離を変えると電球の光が強弱する非接触給電を用いれば、充電コードが不要に医療現場や災害現場などに用いるロボットの充電のワイヤレス化に役立つ35

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