工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授番場教子研究から広がる未来卒業後の未来像圧電材料は圧力を加えると電気(電荷)を発生し、電圧を加えると変形(伸び縮み)する材料で、ライターの着火素子や超音波振動子などに使われています。番場研究室では圧電材料、特に圧電セラミックスに関する研究を行っています。現在用いられている圧電セラミックスの多くは環境や人体に有害な鉛を含んだものであるため、同研究室では環境に配慮した鉛を含まない圧電セラミックスの開発を目指しています。また、圧電セラミックスを用いた応用として、低周波、低エネルギーで駆動可能な超音波モータの開発にも取り組んでいます。圧電材料は振動子や微小制御可能なアクチュエータなど様々な応用があります。材料はそれらデバイスの特性に深く関わっているため、材料開発は非常に重要です。材料から高機能デバイス、更には私達の便利な未来の生活が広がっていきます。卒業・修了生の進路は電力会社から電気機器メーカー、公務員まで多岐にわたっています。どのような分野でも活躍できる人材になれるようにと研究室では研究遂行能力や問題解決能力をしっかり身につけるように指導しています。大阪大学大学院工学研究科物質化学専攻博士後期課程を修了後、信州大学工学部電気電子工学科助手を経て、2006年より現職。研究分野は電子セラミックス。⼒を電気に、電気を変位にかえる圧電材料〜材料開発から応⽤まで〜電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】特に考えず、なんとなくおもしろそうかもと思って進んだ工学部ですので、実験やレポート、テストでは苦労もしましたが、愉快な友人達や頼りになる先輩方に囲まれ、楽しく過ごすことができ、たまたま配属された研究室の教授からの勧めで博士課程に進学。気がつけば朝から晩、時には暗くなった大学内で夜中、朝まで実験を行い、実験そのものの楽しさや自分の考えが良い結果につながった時の喜び、原因を探求することのおもしろさを知り、この世界に!人生、何が起こるかわからないものです。圧電セラミックスの作製。プレス機を使って、粉末をペレット状に成型(左図)し、炉に入れ(右図)、1000℃以上で焼成することでセラミックスが得られる作製した圧電セラミックスの電気的特性の測定。温度や周波数を変化させて、誘電率や共振特性の確認を行う「ビンパッキング問題」は、理論計算機科学の重要なトピックであるだけなく、ロジスティックや分散処理などに幅広い応用がある准教授藤原洋志研究から広がる未来卒業後の未来像先のことは分からないが、今、行動を決めなければならないことがよくあります。日常生活のみならず、経済活動、ひいてはコンピュータの管理や設計においてもです。「スキー板はレンタル?買ってしまう?」「次々と荷物がやってくるが、配送トラックにどのように詰めるべき?」先のことの情報があれば、それを基づいてうまい行動がとれます。しかしながら、「一寸先は闇」といっていいほど予測がつかない事例も少なくありません。藤原研究室ではそのような事例の本質を突き止めたうえで、それに対する「戦略」や「アルゴリズム」を研究します。「一寸先は闇」といっていいほど将来の情報が非常にとぼしい状況において、現時点での最も良い選択肢を導くためのアルゴリズムを設計します。さらには、未来情報がもつ本質的価値を解き明かします。藤原研究室では、何よりも、問題解決能力を徹底的に磨き上げます。ただがむしゃらに問題に取り組むのではなく、まずは問題の本質を調べ上げ、そしてどんな解決法が適しているのかを理路整然と考え抜く総合的なスキルを鍛えます。京大大学院修了後、関学大博士研究員、豊橋技科大助教を経て、2014年より現職。その間、ドイツフライブルク大客員研究員、中国電子科技大招聘副教授。博士(情報学)。専門はアルゴリズム理論ならびに最適化理論。「スキーレンタル問題」は、例えばモバイル端末において「1分操作がなければバックライト消灯」などのモードを選ぶことと表裏一体⾒えない未来の攻略法電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】私にとっては大学4年生進級時の研究室選びが大きなきっかけでした。実をいうとは私は、研究の内容ではなく、とにかく最もまじめに講義をしていた先生を選びました。その先生はいつも、綿密かつ膨大な準備をした上で、学生にじかに問いかける講義をされていました。良い先生についていけば、どんな研究にも存分に取り組めます。34

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