工学部_研究紹介_2020_日本語版
35/92

ミョータンテイ助教とともに薄膜太陽電池の光吸収材料、透明導電材料となる新材料を探索し、新しいエネルギーデバイスの構造及び作製方法の研究を行っています。また、カーボン材料の応用による材料技術の進展を図ります。太陽電池に限らず、エネルギーデバイスを創出して持続可能な社会の構築に貢献できます。薄膜材料はその光、電子特性により広範なデバイスに応用できます。カーボン材料は、化学的安定性とπ電子の電気伝導、そして低次元加工性から優れた発展性を持ちます。多くの材料との組み合合わせで新規応用に展開できます。環境エレクトロニクスに関連する研究に携わることで学生自身の成長を促進し、卒業後は、次世代を担う有望な環境エレクトロニクス技術者として、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。東京大院工学博士日本学術振興会特別研究員カーボン科学研究所所長研究分野:・薄膜太陽電池新材料の探索・酸化物薄膜の応用・半導体ヘテロ接合界面・カーボン材料の応用化合物系薄膜太陽電池及び薄膜新材料の研究電⼦情報システム⼯学科薄膜太陽電池の基本構造(太陽電池となる部分の厚さが数ミクロン程度です)写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm新材料により薄膜太陽電池を実際に作り、より性能の良い太陽光発電素子と製法の研究を行っています。写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm裏面電極層透明電極層光吸収層緩衝層表面電極基板教授橋本佳男研究から広がる未来卒業後の未来像【私の学問へのきっかけ】新しい材料が生かせるものとして太陽電池の研究を始めましたが、薄膜の新材料はさらに大きな展開が期待されるようになりました。遠距離での可視光通信の実験風景:現在共同研究している企業では、40.19km届いたという世界記録をもつ。信大初人工衛星“ぎんれい”にも可視光通信装置が搭載された。教授半田志郎研究から広がる未来卒業後の未来像半田研究室では、主に電波を用いた移動通信方式の変・復調、符号化、通信プロトコルの研究を行っています。電波は見えませんが、携帯電話などで非常に便利に使われています。ここで紹介する研究は、LEDから発せられる光に情報を載せて通信を行う「可視光通信」です。光が見えますので、どこから情報が発せられているのか分かりますし、遮ってしまえばそちらの方向には届きません(秘匿性)。また、病院など電波が使えない場所でも、ガラス越しや水の中でも光が届きさえすれば通信することができます。明かりの必要な所で、LED照明が通信のインフラになります。省エネの代名詞にもなっているLED電灯は、至る所に設置されますので、これらに可視光通信機能を付ければ、ビル内でのGPS(測位システム)や放送電波の代わりにLED電灯から地デジの信号が受信できるなど様々な応用が期待できます。学生は、研究室のモットー「よく遊べ、よく学べ」をよく守り、社会に出てからも遊びと仕事を両立して頑張っています。無線器機メーカー、携帯サービス会社、鉄道会社、電力会社など電気・電子・情報通信の殆どの分野で活躍しています。信大大学院修了後、神戸大学、長野高専を経て、2005年より現職.主に移動通信に関連する無線電波の変・復調方式、符号化・復号化、MIMO伝送方式などの研究開発に従事。近年は、主に可視光通信の研究開発に従事。可視光通信の変・復調の実験:無線局免許や無線従事者免許が必要ないので、研究室でも自由に通信実験ができる⾒える無線通信『可視光通信』〜LED の光で情報を伝搬〜電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】小学校高学年の頃に松代群発地震があり、その調査に来られた(信州大学の?)先生方を見て、“かっこいい”と感じ、「あのような人になるには?」と親に聞き、作文に“鉱学博士になる”と書きました。私が育ったのは、まさに電気機器がトランジスタに切り替わる時代でした。大学受験も迷いなく電子工学を選択。大学時代は、元々大好きだった物理に関係する授業ばかりで、大変楽しく過ごしました。そんな中で、実力本位で学生を認めてくれる教員に出会い、その先生の研究室に入りました。卒業時は大変な就職難で、第一志望の会社には学科から一人しか推薦が得られず、研究を続けることになり今に至っています。ある意味、小学校の時の夢をかなえたのかもしれません。33

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る