工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授新村正明研究から広がる未来卒業後の未来像情報技術を習得には、自分の手を動かす演習が効果的です。ですが,個人単位で演習を行うには人数分の演習環境を用意する必要があります。特に、サーバを使うような演習では、人数分のサーバが必要になります。新村研究室では、仮想化技術を用いることで、少ない資源でも大人数の演習を行うことが可能な演習システムを開発しています。さらに、個々の演習環境から演習の進捗状況を収集し、学習者自身が進捗状況を把握したり、指導者が演習の進行状況を確認することができる機能も開発しています。あるアニメがテレビ放映されると、あるタイミングで視聴者が一斉にネットワークにある言葉を書き込むため、ネットワークサービスが一時的に使えなくなることがあります。でも、しばらくすると使えるようになりますね。同研究室の研究も、普段から便利に使えていて、めったに起きないみなさんが普段、検索したり、動画を見たりしているサービスと同じ仕組みで、私たちのシステムも作られています。実際に、そのようなサービスを提供する会社や、サービスの構築を行っている会社で活躍している卒業生も沢山います。長野県企業局、長野県情報技術試験場を経て、2002年より現職。専門分野はネットワーク・サーバの仮想化技術。2007年よりe-Learningセンターに兼務し、信州大学全学教育基盤システム[eALPS]の開発・運用に従事。Learning Environment Infrastructure学習を⽀援し記録するインフラの構築電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】もともと電気や機械モノが好きで、小学生のころから趣味で工作キットやラジオを作ってきました。でも、特定のものが好きというわけではなく、迷ったあげく、コンピュータなら、どの分野でも使われているから、とりあえずコンピュータ方面の勉強をすれば、あとで何にでも応用がきくと思い、この道に進みました。その結果、どの方面にも転向することなく、いまもコンピュータ関連の研究をしています。語学学習手法の1つである多読を支援するシステム学習者の演習状況の可視化と状態推定を行うシステム准教授西新幹彦研究から広がる未来卒業後の未来像通信、放送、情報記録などはすべて情報源から受信者へ情報が届けられる過程とみなすことができます。西新研究室では様々な情報伝送システムを数理モデルで表現し、性能の理論的な限界を探求しています。例えば、ネットワークでの動画配信などのストリーミング技術では、滑らかな再生を実現するために帯域幅とデータ圧縮のバランスを考える必要があります。実用のためのノウハウは蓄積されていますが、事象の背後にある数理は解き明かされたとは言えません。理論的限界を示すことによって今後の改善の余地を見極めることができます。地震の緊急信号の伝達は、1秒遅れるだけでも甚大な被害の拡大につながります。情報の伝達と遅延の関係を解き明かすことができれば、緊急信号の伝達方法の改善につながるかも知れません。あるいは、もっと高画質の動画をストリーミングで楽しめるようになるかも知れません。研究を通してプログラミングの技術が身に付きます。また、数理科学の訓練を通して先入観から自由になったり、揺るぎない理解に到達することを体験します。つまり目からうろこが落ちます。電気通信大学助手を経て2007年より現職。情報理論とその応用の研究に従事。システムエンジニアの経歴も持つ。情報伝送を数理科学で解き明かし、⼈知の及ぶ限界を⾒極める電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】子供の頃、パソコンでいろいろプログラムを書いて夢中になって遊んでいました。再帰呼び出しのアイデアに気づき、迷路を解くプログラムに応用したとき、私は中学生でした。その後高校大学と進むうちに、プログラムの背後には数学的構造があることを知るようになりました。学部を卒業してから情報と数学の関係に強く興味をもち、研究の道に進みました。子供の頃から培ってきたプログラミングの力が研究に役に立っています。悟性のないところに情報は存在しない。情報の本質はデジタルであり、不連続である。情報の本質は数式の向こうに透けて見える学生は各自が個別の研究テーマに取り組んでいる。だからこそ仲間からの率直な意見は貴重である。親睦も深めなければ31

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