工学部_研究紹介_2020_日本語版
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教授田中清研究から広がる未来卒業後の未来像田中研究室では、画像処理、画像符号化、画像分類など画像データに関連する技術、ドローン等で取得した3次元データの処理・解析技術、マルチメディアに対するデータハイディング技術、人間の視機能の解明、生物の遺伝と進化の過程を計算アルゴリズムとして具現した進化計算とこれを用いた多目的最適化技術、イノベーション創出のための実世界応用など、様々な情報処理技術の研究を行っています。海外の研究チームとの連携による国際共同研究、研究所や企業との共同研究を積極的に進めています。研究室には外国人研究者や留学生が多数在籍し、学術交流をグローバルに展開しています。『多目的進化型アルゴリズム』の研究は、フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)、リール大学、リトラルコートドバール大学、メキシコCINVESTAV、スロベニアジョセフ・ステファン研究所などの研究チームと、『画像処理』や『データハイディング』の研究はマレーシアマラヤ大学などの研究チームと連携して研究を推進しており、研究者や学生の交流が活発に行われています。研究室の卒業生・修了生は、電気、電力、通信、情報処理、機械、電子デバイス、医療システムなどの幅広い分野のメーカーに就職し、主にエンジニアとして研究開発に携わり、活躍しています。内外の大学で教員として教育研究に携わっている先輩もいます。今後は、国際社会で逞しく活躍する人材も多数輩出したいと思っています。1995年から信州大学工学部で勤務。2015年から副学長(国際交流担当)、グローバル化推進センター長を務める。国際社会で広く活躍できる人材育成を目的に、グローバル教育と国際共同研究の推進に力を入れている。『画像処理』、『3次元データ処理』から『進化計算による多⽬的最適化』の研究電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】大学2年生のときに教わったプログラミングに興味を持ち、4年生の卒業研究では画像処理を用いた計測アルゴリズムを開発しました。その後、大学院に進学する機会を得て、画像に情報を埋め込むデータハイディングの研究にのめり込み、研究者としての道を歩む契機となりました。大学の研究室には、無限の可能性があります。海外とのネットワークを活用して、研究留学もできます。是非、一緒に学び、新しい課題に挑戦しましょう!INRIAとの学術交流協定締結(右から二人目:INRIA総所長、左端:仏研究グループ代表Marc Schoenauer博士、左から三人目:田中教授)進化計算による大規模・多数目的最適化問題解法のイメージ=複雑化したシステムの設計・管理・運用における最適オプションを導き出す助教冨田孝幸研究から広がる未来卒業後の未来像冨田研究室では、宇宙から飛来する放射線である宇宙線を観測するための国際共同実験に参加しています。宇宙線の中には時速60kmの野球ボールに同等の極めて高いエネルギーを持ったものがあります。そんな超高エネルギーの宇宙線は山手線ほどの面積ですら年に1個程度しか飛来しません。その貴重なイベントを確実に捉えて解析するためには、正確な観測装置・観測支援装置や解析が必要となります。工学的な発想を武器に様々な装置やその解析手法を開発し、宇宙線の謎に迫っています。超高エネルギー宇宙線は、銀河磁場中でも直進できるほどのエネルギーを持っているため、起源天体の解明が期待できます。冨田研究室では、望遠鏡の開発や画像処理など工学部で学ぶことを基礎として“工学的なアプローチでより正確な超高エネルギー宇宙線観測の実現”が研究目標です。文字数:約170文字使用フォント:MS明朝-7pt記述スタイル:「です・ます」調三人称表記超高エネルギー宇宙線の研究では、多くの人が関わって推進されています。国内外の研究者や技術者と議論や交流を頻繁にあり、工学の知識のみならず理学的な知識も獲得できます。国際共同実験のため文化や優先事項などの違いを体感できます。このような体験が社会へ出た際には活かされます。文字数:約100文字使用フォント:MS明朝-7pt記述スタイル:「です・ます」調三人称表記理化学研究所特別研究員、を経て、2014年より現職。研究分野は較正技術・レーザーセンシング。特に、観測実験における検出器や観測環境の評価装置など宇宙物理実験に使用する装置の開発である。Observation Technology for Cosmic-ray:宇宙観測を推進するのは技術だ!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】大学で研究室に入って、チャレンジさえすれば可能性が無限にあることがわかって、研究生活の魅力に気がつきました。工学部で研究に従事するうちに徐々に明確な目標が定まり、いまの僕の研究は宇宙線物理学の実験をを支える装置開発やデータの保証です。超高エネルギーな宇宙線の観測には、3m望遠鏡が数十台も必要だ望遠鏡の向いている方向を0.1度の精度で確認できるのは飛行型光源装置だ30

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