工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授田久修研究から広がる未来卒業後の未来像スマートフォンではLTEやWiFiなどの無線通信が利用されていますが、電波は広範囲に飛ぶため情報が漏えいする危険にさらされています。田久研究室では、電波が漏えいする仕組みの解析、その対策としてジャミングと呼ばれる漏洩保護用の電波を利用した物理層セキュリティ技術を検討しています。近年、モノのインターネットと呼ばれる,InternetofThings(IoT)やCyberPhysicalSystems(CPS)が注目されていますが,建物や人の体調などを簡単にモニタリングなど,IoTやCPSを支える無線センサネットワーク技術を創出する研究も進めています。無線通信はウェアラブル端末やロボットなど様々な応用が期待されています。物理層セキュリティ技術により暗号技術をより強固にして、安全かつみなさんが安心して無線通信を利用することができるようになると考えれます。近年、無線通信はますますその可能性が注目され、教育・ロボット・医療・農業・製造業など様々な適用が議論されています。本学で学んだ無線通信技術を生かして、卒業後は様々な分野で活躍できると期待されます。慶應義塾大学大学院助手、オーストラリアシドニー大学訪問研究員、東京理科大学嘱託助教、信州大学助教を経て2013年より現職。無線セキュリティ、無線センサネットワーク、コグニティブ無線など無線通信の可能性を追求する研究を進めています人工雑音による物理層セキュリティ実験電子レンジの漏洩電波を人工雑音に見立て、不特定の無線局による復調困難性を高めることで通信の安全性を実現する。安⼼・安全な社会を築く物理層セキュリティと無線センサネットワーク電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】学生時代はインターネットが携帯電話からできる時代へと移り変わり、携帯電話のさらなる可能性を感じて無線通信の研究に注目しました。もともと数学が好きだったのですが、無線通信は確率統計、信号処理技術など数学を駆使した技術であり、数学が武器となって技術改良できる点はとても面白いです!Internet of Things (IoT)のモデル実験たくさんのセンサで新幹線の状態(振動数、歪みなど)をモニタする模擬実験。無線センサネットワークでより安全な運行を可能にして、さらなる高速運転が可能になるかも!?人工雑音発生器(電子レンジ)准教授田代晋久研究から広がる未来卒業後の未来像田代研究室では、磁気を利用したエネルギー・センサ・アクチュエータ・シールド技術の研究を得意としています。磁気に関する研究者が多い信州大学の特徴を生かした成果の一例です。磁気を含む電磁界現象を利用した異能vation研究(逆転の発想による変わり者の?研究)によるヒトのネットワークを大事にしています。平成最後の7年間,中心的に活動した信州大学環境磁界発電プロジェクトは,研究成果の学会発表を理解し合える企業との共同研究だけでなく,他大学との医工連携・農工連携プロジェクトも積極的に推進しています。環境磁界発電によるIoT端末の電池レス駆動,磁石を持たないカプセル内視鏡の磁気誘導,植物資源オイルパームの成熟度判別など独創的な研究成果を輩出します。工学・医学・農学を横断した持続可能な開発目標(SDGs)へ貢献します。研究内容自体ではなく,学術的思考の指導を重視しています。そのため,家電・自動車関連だけでなく,医療機器,ゼネコン等へも卒業生を送り出しています。磁気応用技術は様々な分野で活用されているため,就職の自由度も高いです。九州大学大学院総合理工学研究院助手、信州大学工学部助教を経て2012年より現職。研究分野は主に磁気応用工学。環境磁界発電、高感度磁気センサ、磁気シールドなど磁気を用いた医工連携・農工連携を含む異能vation研究を推進電磁界現象を利⽤した異能vation研究⼯学以外の異分野連携も積極的に推進!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】石川高専では情報通信の研究をしていましたが、金沢大学へ編入学してから磁気の研究と研究者のつながりの面白さに引き込まれました。東京大学名誉教授で東北大・阪大・理研の設立へ貢献し日本から第一号のノーベル賞研究者を送り込んだ長岡半太郎先生も磁気の研究で世界に認められたことがスタートでした。今も昔も磁気の研究は日本のお家芸です。ローテクのハイテクを日本から一緒に発信できる仲間を大切にしたいと考えています。成熟度判別対象のオイルパーム3.3 V, 100 mW給電可能な環境磁界発電装置29

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