工学部_研究紹介_2020_日本語版
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准教授曽根原誠研究から広がる未来卒業後の未来像先端磁気デバイス研究室では、佐藤敏郎教授と共同で、磁気技術を応用した次代システムを支える電子部品(デバイス)・回路やセンサ、それらに必要な磁性材料や新規複合材料を企業や学内外の研究室・学術機関と連携して研究・開発しています。曽根原ら研究チームは、①超スマート社会(Society5.0)での利用を目指す高周波(数~数十GHz)薄膜インダクタ・ノイズフィルタや、②次代航空機用回生ブレーキシステム、③次代インフラ用小型光プローブ電流センサなどを研究しています。当研の最新情報はhttp://amdl.shinshu-u.ac.jpをご覧下さい。上記の研究・開発中のデバイスやセンサは、超スマート社会や次世代航空機産業・インフラを支えるハードウェア技術の一つとして期待されています。また、デバイスレベルから省エネ化を図ることになるため低炭素化社会にも貢献します。卒業・修了生の皆さんは、大手電子部品メーカーやインフラ系企業など幅広い業種に就職しています。研究だけでなく普段の生活でも省エネや環境などについて多角的に考えるように指導していることもあり、人間的にも豊かな技術者・研究者として活躍しています。2007年3月信州大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。本学SVBLPD研究員を経て、2008年4月本学工学部助教。2013年4月より現職。2019年4月より航空宇宙システム研究拠点の基盤技術部門と人材育成部門を兼任。研究分野は高周波デバイス・回路・センサなど。次代システムを⽀える電⼦部品の開発~Society5.0や航空機⽤のハードウェア技術~電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】物心ついた時から電車が好きで、プラレールに始まり現在はNゲージに嵌っている“模型鉄”です。Nゲージで遊んでいるうちに電車の速度を制御する装置に興味を持ちました。また小学校低学年からラジオなどの電子機器の仕組みや原理に関心を持ち、自分でも作りたいと父親と地元の松本市にある電子部品屋に足繁く通い、半田ゴテを握って電子工作をしました。これらがきっかけで電気・電子の世界をもっと学んで将来に活かしたいと強く思い、この分野を志しました。准教授太子敏則研究から広がる未来卒業後の未来像当研究室では、シリコンや炭化ケイ素、酸化ガリウム等の半導体単結晶やニオブ酸カリウムナトリウム等の圧電酸化物単結晶の成長と評価を中心に研究・開発を行っています。単結晶とは原子が三次元的に規則正しく周期的に並んだ結晶であり、電気的、光学的に均一な固体材料です。単結晶を使ってパソコンや携帯電話等に必須となる正確に動作する電子部品が作られます。JAXAと共同の宇宙での結晶成長実験にも携わっており、バルク単結晶成長を通じて多くの企業との共同研究を実施しています。研究の一部は、信州大学の干川圭吾名誉教授と協力して進めています。環境に貢献する『グリーンマテリアル』単結晶育成に注力しています。炭化ケイ素や酸化ガリウムは低損失パワーデバイスとしての利用が期待されており、高品質結晶の実現により、省エネ社会を実現し、原子力発電所の稼働率低減に寄与します。当研究室の研究は、近い将来必要となる単結晶育成の他機関と共同の研究開発の要素を多く含んでいます。学生は実用的な研究を通じて、実践的な技能を身に付けています。卒業後に、企業にてそのような現場で活躍できる学生を多く輩出することを目指します。日本学術研究会特別研究員、信州大学産学官連携研究員、東北大学金属材料研究所助手、信州大学カーボン科学研究所助教を経て2011年より現職。研究分野はバルク単結晶育成や結晶欠陥評価半導体・酸化物機能性単結晶の成⻑と評価・解析を通して学術・産業界への貢献を⽬指す電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】小さい頃、水晶や黒曜石などのきれいな石や星を見るのが好きでした。宝石は品質のよい固体材料『単結晶』でもあります。我々の研究室では、単結晶を学術的根拠に基づいて、経験やノウハウに基づいて作ります。また、世の中に存在しない組成の新しい「結晶」を「努力」の積み重ねで作り出したりもします。そのような研究に魅せられました。電気や光を使った応用ができる機能的で特徴的な単結晶を作って、将来の地球環境に役立てられるような研究を一緒にしませんか?当研究室および共同研究企業で育成した機能性単結晶。サファイアやシリコンなどの半導体単結晶育成を実現引き上げ法結晶育成装置による実験中の写真。覗き窓から炉内を観察している。右上:SiGe単結晶育成中の炉内の様子28

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