工学部_研究紹介_2020_日本語版
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助教佐藤光秀研究から広がる未来卒業後の未来像研究室では、フリーピストンエンジンリニア発電システムに関する研究を進めています。本システムは、次代のハイブリッド自動車用エンジン発電機として注目されています。それは、リニア発電機を用いており、燃焼エネルギーをダイレクトに電力変換可能となるため、損失低減への期待が大きいためです。本研究室では、発電効率の向上を目的に、発電機設計やインバータ発電制御のシミュレーションを行っています。また、模型用エンジンを利用した発電実験により、ピストン動作が効率に与える影響について研究を行っています。世界各国で自動車の燃費向上に向けた研究開発が盛んに進められています。本システムは、自動車社会の未来を拓く礎になるものと確信し、研究を進めています。電機メーカ、電子部品メーカやインフラ企業に技術者として就職します。研究室では「物理的思考力」の養成と、自立して力強く社会に貢献するための「人間力」向上を目指します。2011年3月東北大学大学院博士前期課程修了。㈱東芝、長野県工科短期大学校電子技術科講師を経て、2019年より現職。博士(工学)(信州大学)。研究分野は電気機器で、主にリニアモータ・リニア発電技術に関する研究。⾃動⾞社会の未来を拓くフリーピストンエンジンリニア発電システム電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】幼いころから鉄道好きで、特に、新幹線やリニアモーターカーに興味がありました。進路選択でもリニアモーターカーが強い動機となり、大学では超電導リニアの基盤技術である「磁性」と「低温物理」を学びました。民間企業では、念願叶って高速鉄道の開発業務を担当し、「電気機器」を学びました。故郷の長野県に戻ってからは、「リニアモータ」や「リニア発電」に関する研究を行っています。幼い頃の興味がきっかけで、道が拓かれ今に至ります。今後も興味を持つことを大切にしたいと考えています。フリーピストンエンジンリニア発電システムは、クランクやカムといった動力変換機構が不要となるため、効率改善への期待が大きいバッテリフリーピストンインバータばねコイルバッテリへ充電SNNSNSSNSNNSNSSNSNSNSNNSSNSNSNNS往復運動リニア発電機バルブスパークプラグ燃料噴射弁燃焼室ばね反発室永久磁石燃焼力フリーピストンエンジンリニア発電システムの発電実験教授師玉康成研究から広がる未来卒業後の未来像師玉研究室では数学定理と証明を計算機のプログラムのような形式化言語で書いてその論理的・数学的正しさを計算機で検査する研究をしています。この検査で正しいことが確かめられた定理と証明を辞書のようにライブラリにする国際共同研究プロジェクトにに参加しています。例えばインターネットのデータ通信に使われる暗号は高度な代数学を用います。現代の科学・工学技術は数学なしには成り立ちません。数学的理論の研究成果の正しさを、誤りを犯しやすい人手によらず、計算機によって、厳密に、瞬時に検査できる手段は大変重要です。現行数学の全ての定理とその証明をライブラリ化する国際共同研究プロジェクトに参加しながら、形式化数学と計算機ソフトウエア開発の融合を目指しています。その動作の正しさが数学的に裏付けされたプログラムを開発できる手法の構築を目指しています。学生たちには、論理的思考能力、数理的思考能力を身に付けた情報工学技術者となるように指導しています。工学博士(慶応義塾大学)1987年防衛大学校理工学研究科研究員、1990年信州大学助手、助教授を経て1995年より同大学教授形式化数学記述言語とそれを用いた計算機検証の研究に従事。主に•数学基礎一般の形式化と検証・ライブラリ編纂•アルゴリズムの動作検証•形式化数学記述言語を用いた論理思考訓練教材の構築に取り組む。科学・⼯学の⼟台・基礎を計算機で検査電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】学部生の時に偶々、図書館で形式化数学と基礎数学の教科書シリーズを手に取ったがきっかけです。数学の定理や証明を全て記号列で表してその正しさを機械的に厳密にチェックすることができるという事が新鮮な驚きでした。それから図書館に籠ってその教科書や関連の文献を夢中になって読み漁る日々を続けたことが研究活動の始まりです。証明問題のインタラククティブ教材(教育への応用)(数学以外への形式化数学の応用例) 製品設計や仕様書の正しさをチェックする(ものづくりへの応用)26

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