工学部_研究紹介_2020_日本語版
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教授笹森文仁研究から広がる未来卒業後の未来像Wi-FiやLTE(LongTermEvolution、移動通信システム)、地デジ(地上デジタルテレビ放送)など、専門用語が愛称として定着するほど無線通信はとても身近な存在になっています。普段から何気なく使っている無線通信システムはたくさんありますが、それらを支えている無線通信技術は共通している部分が多いです。笹森研究室では、さまざまな無線通信技術の効率を理論的に追求し、手軽で効率の良いデジタル無線通信の実現を目指しています。具体的には、可視光やFM電波、音波をデジタル通信回線として活用し、低消費電力で広範囲に情報を伝えるための無線信号処理方法について検討しています。スマホを使った超高速通信とは違い、身の回りの様々なモノ(センサー)がインターネットにつながるIoTでは高速通信は必要無く、低消費電力で広範囲に情報を伝える必要があります。電波が使えない場所もあります。様々なニーズに『柔軟に』対応できる無線通信技術を目指しています。IoT時代が到来し、無線通信技術を必要としている企業は多いです。通信事業者、鉄道事業者、電力会社、自動車メーカー、通信機器メーカーに就職する学生が多いですが、つぶしが効く職種ですので、キャリアアップを目指して転職する卒業生もいます。早稲田大学大学院を修了後、2000年より信州大学工学部助手、2006年より助教授、2017年より現職。研究分野は通信工学、特に無線通信、無線信号処理、通信品質の理論解析に関心がある。理論を追求し、⼿軽で効率の良いデジタル無線通信の実現を⽬指す!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】子どもの頃は雑誌を読みながら見よう見まねでプログラミングでゲームを作って遊んでいました。理数系が得意だったので理工学部を目指し、成績だけで学科を決めました。大学3年までは鳥人間コンテストに出場するサークルに没頭し、たまたま講義がわかりやすかった先生の専門分野が無線通信なだけで現在に至っています。きっかけはどうであれ色々なことに積極的に取り組んでいれば、自分のやりたいことが必ず見つかります!LEDフォトダイオードRaspberryPiRaspberry Pi に無線信号処理を実装した可視光通信実験Raspberry Pi Zero に無線信号処理を実装したFMステレオ伝送実験FMトランスミッターFMラジオRaspberryPiZero教授佐藤敏郎研究から広がる未来卒業後の未来像低炭素社会の実現を目指したアプローチとして、発電から電力消費に至る様々な電力変換過程で生じる電力損失を減らして電気エネルギーの効率的な利用を目指す取り組みが活発になっています。佐藤・曽根原研究室では、電力変換システムの小型軽量化や高効率化のボトルネックになっている磁性材料や磁気デバイス(インダクタやトランス)の課題の解決を目的に、革新的超低損失/高周波磁性材料の開発と磁気デバイスへの適用、ならびに電源システムへの応用に関する教育・研究を行っています。現在、水野研究室、宮地研究室、さらには大阪大学・舟木研究室と連携して複数のプロジェクト研究を推進しています。AIやIoTが全世界に普及、していくと莫大な電気エネルギーが必要になると予想されています。電気エネルギーの高効率利用技術は持続可能なエネルギー利用社会を支える基盤技術として、今後、益々重要になっていきます。研究室では、材料開発からデバイス試作、回路システムへの実装・評価を一貫して推進し、川上から川下に至る経験とスキルを身に着けることができます。卒業後は大手電機メーカー、電子部品メーカー、電力、鉄道、研究機関など幅広い分野で活躍しています。1989年3月千葉大学大学院博士課程修了後、東芝総合研究所、同社半導体事業本部LSI技術部を経て、1996年9月信州大学工学部助教授。2005年4月より現職。研究分野は高周波磁性材料/デバイス/センサの開発と各種電源システムへの応用。Toward Low-Carbon Society!磁気技術によって低炭素社会の実現に貢献!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】学生時代の卒業研究はSi-MOS界面物性の研究がテーマでした。修士課程・博士課程では、現在に繋がる高周波電力用磁性材料の研究を行い、その後の民間企業勤務では磁気を専門としつつ、半導体分野やシステム分野と連携して仕事をしていました。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の登場によってシリコン(Si)パワー半導体では困難であった電源システムの小型軽量化・高効率化が可能になったものの・・・、さらなる進展のためには革新的な低損失/高周波磁性材料の開発が必須!!高感度磁力計を用いて磁性材料の磁気物性を評価する研究室学生緊迫した研究室ゼミの様子冬のスキー合宿25

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