工学部_研究紹介_2020_日本語版
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小学生から大学生まで利用するUMLプログラミング環境。〇と□と→で構成される状態遷移図を描くと、プログラムコードに自動変換され、さらにロボットの実行ファイルが自動生成される。小学校理科や中学技術科での導入も進む。教授香山瑞恵研究から広がる未来卒業後の未来像香山研究室では、人工知能技術を応用した学習支援工学に関して研究しています。人が有する知識の中で、特に身体知、すなわち巧みな動作・行為を可能にしている力に着目し、芸術(歌唱や美術)やスポーツの練習を対象としたスキル学習支援環境の構築、プログラミングやモデリングといった抽象化能力の育成環境の設計・構築、情報科学の原理を学ぶためのハンズオンでタンジブルな教材の開発などに取り組んでいます。また、音響情報・生体情報に対するデータマイニング手法・最適化アルゴリズムの開発など、人間が発する多様な行為・信号に対する知的な処理の実現も目指しています。“人間の学習活動に対する工学的な支援の実現”が香山研究室での研究活動です。学習時の「なぜ間違うのか」「どのように間違うのか」を知識処理技術で解明します。そして、教育工学の技術で、効率的かつ効果的な学習方法論を具体化します。人間の研究では、人間の素晴らしさや賢さと同時に、曖昧でいい加減で移り気であることも体感します。身体知研究を通して、操作デバイス開発からWebシステム開発まで、情報工学の幅広い知識が獲得できます。電気通信大学大学院助手、専修大学助教授、信州大学准教授を経て、2014年より現職。研究分野は教育工学・人工知能。特に、スキル学習やComputationalThinking学習への工学アプローチによる支援。デジタルペンを用いたドローイング)を自動解析し、アドバイスを生成[美術専門学校との連携研究]Learning Technology / Learning Science :⾝体知を、⼯学的に、科学する!電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】自分のアイデアが、世界に通用する!と感じた瞬間から、研究にハマりました。人工知能技術に基づく学習支援は、生まれて50年ほどの新しい世界。誰もがチャンピオンになれる可能性が満載なのもチャレンジし続けられるエネルギーになってます。さぁ、今後は君の番だよ。It’s your turn!!観測所から夜空に向けて射出される黄色のレーザーオーロラ活動時の大気温度の空間変動を調べるため、5方向に射出准教授川原琢也研究から広がる未来卒業後の未来像川原研究室では、地球や惑星の大気を計測する光学的な観測技術に関して研究を行っています。地球大気の観測では、レーザーという明るく遠くまで届く特殊な光を用いて、オーロラが光っている高度の北極大気の温度や風速を観測しています。この観測装置は「ライダー」と呼ばれ、パルスレーザーを使って距離情報を得る計測技術です。身近なところでは車間距離を計る自動車の自動ブレーキの技術に応用されています。このような光技術は自然界の様々な現象を解明でき、我々の生活を支える工業製品にも応用できます。科学は嘘をつきません。それを調べるのは人間です。地球や宇宙の観測を行うには、国内や海外の研究者との協力が必須です。自然界の真理を解き明かすには国籍など関係ありません。必然的に国際的コミュニケーションが生まれます。観測装置の原理の理解はエンジニアの基本で、その教育を徹底しています。また、研究発表は、伝える技術を磨くとともに論理的思考のための手法と位置付けています。これらはすべて社会に巣立ってから自分で考えて生きていける人間力の種になると考えています火星探査衛星の光学観測機開発で博士学位を取得。2007年より現職。ナトリウムライダーを含む光学観測の研究に従事。第40次南極越冬隊員。その体験談に科学を絡め、長野市内の小中高校で講演多数。ノルウェーのトロムソにあるEISCATレーダ観測施設に設置した高出力ナトリウムライダーのレーザーの一部レーザー波長の超精密制御を行うレーザー技術を⽤いて地球⼤気と宇宙との境界領域を探る!極域⼤気変動を計測電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】自然も宇宙も不思議です。人間や生物の存在に関係なく科学の法則が成り立っています。一方で、地球上の動物の中で人間だけが自然現象に疑問を持ち、その謎を解き明かそうとします。人間は動物の中で特別なのだと思います。なので、人間の特権として、自然法則を自分で調べて知る機会を与えていただいた、という気持ちで学問に接しています。23

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